極微量の経口負荷試験後の継続した鶏卵摂取は、鶏卵アレルギーを早く改善させるか?|2024年12月5日
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食物アレルギー治療は「完全除去」から変化しています。卵アレルギーにおいて、極微量から開始する治療法の有効性が報告されています。
■ 鶏卵アレルギーは、日本で最もよく見られる食物アレルギーの一つです。
■ そして食物アレルギーの治療は、完全除去…ではなく、「必要最小限の除去」が基本です。
■ そもそも、鶏卵を完全に除去を続けると、かえってアレルギーが治りにくくなり、6歳までにアレルギーになるリスクが14倍も高くなるという報告もあります。
Miyagi Y, Yamamoto-Hanada K, Ogita H, Kiguchi T, Inuzuka Y, Toyokuni K, et al. Avoidance of Hen's Egg Based on IgE Levels Should Be Avoided for Children With Hen's Egg Allergy. Front Pediatr 2020; 8:583224.
■ そこで、昭和大学病院では、2019年から、極微量を負荷する「超低用量経口負荷試験」という新しい方法を導入したそうです。
■ その結果はどうだったのでしょうか?最近、Allergology International誌に報告されました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
2012年1月から2023年3月までに、過去6ヶ月以内に1/32個の鶏卵で明らかなアレルギー反応を示した患者522名(低用量群411名、超低用量群111名)を対象とし、低用量群では1/32全卵から、超低用量群では1/100全卵から開始する経口負荷試験を実施した。
✅️ 4年間の経過観察で、低用量群の70%に対し超低用量群の95%が全量(1/2個の鶏卵)の経口負荷試験を通過し、統計学的に有意な差を認めた。
【簡単な解説】より少ない量から始めたグループの方が、最終的に半分の卵を食べられるようになった人の割合が多かった。
✅️ 治療開始年齢による比較では、4歳未満で開始した群は約90%以上が目標量を達成したのに対し、4歳以上で開始した群では約30%の達成率に留まった。
【簡単な解説】この治療は4歳より前に始めた方が、より良い結果が得られた。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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