患者がわからないように食べる負荷試験と、わかって食べる負荷試験、どれくらい精度が異なるか?:ALDORADO試験|2024年12月14日
■ ブログで公開した内容の深掘りです。
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食物アレルギー診断で広く使われる「オープン負荷試験」の精度を、盲検法と比較した検討が行われました。
■ 食物アレルギーは、増えています。
■ 食物アレルギーの正しい診断は、生活の質を大きく左右するため、とても大切です。
■ 確定診断は食物負荷試験で行います。
■ 食物アレルギーの診断は、問診(お話を聞く)、血液検査(特異的IgE抗体検査)、皮膚テストなどで行われますが、最終的な確定診断には「食物経口負荷試験(OFC)」が必要です。
Ito K, Urisu A. Diagnosis of Food Allergy Based on Oral Food Challenge Test. Allergology International 2009; 58:467-74.
■ OFCは、疑わしい食物を少量ずつ食べさせ、アレルギー症状が出るかを観察する検査です。いわば食物アレルギー診断の"ゴールドスタンダード"と言えるものです。
■ そして診断方法には主に2種類あります。
■ 二重盲検試験(DBPCFC)とオープン試験です。
■ 二重盲検試験(DBPCFC)は、最も信頼性が高い方法で、患者さんも医師も何を食べているかわからない状態で行います。ただし、時間とコストがかかります。
■ オープン試験は、何を食べているかわかった状態で行い、より簡単で実用的です。しかし、心理的な影響で結果が変わる可能性があります。
■ 現実的には、二重盲検試験は研究で行うくらいで、一般的にはオープン試験で実施されます。
■ では、そのオープン試験は、どれほど正確性があるでしょうか?
■ このことを確認した研究が、Allergy誌に報告されました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツのIgE依存性アレルギーが疑われる4歳以上の小児63名に対し、二重盲検プラセボ対象食物負荷試験(DBPCFC)を先に実施した後、1-6週間の間隔を空けてオープン食物負荷試験を実施する非劣性試験を実施した。
✅️ DBPCFCとオープン食物負荷試験の結果は41例中36例(87.8%)で一致し、オープン食物負荷試験の感度は0.91、特異度は0.83だった。
【簡単な解説】 2つの検査方法の結果は、ほとんど同じでした(約88%が一致)。
✅️ 両試験における症状が出始める量(誘発用量)と検査を中止した量(中止用量)には有意な差が認められなかった。
【簡単な解説】アレルギー症状が出始める食べる量も、両方の検査でほぼ同じでした。これは、盲検法でないオープン法でも、正確な結果が得られることを示しています。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊