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これから流行する? マイコプラズマの発見の歴史|Voicy文字起こし|2024年2月23日

こんにちは、ほむほむです。
このチャンネルでは、子どもやアレルギーの健康情報を、5分程度でざっくりと解説しています。それでは早速始めてまいりましょう。

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今後、流行してくることが予想される『マイコプラズマ』。


1ヶ月ほど間が空いてしまいましたが、皆さんお元気だったでしょうか?

小児科は外来でも様々な感染症が流行しており、外来がごった返している状況があります。受診もなかなか難しいような時もあるのではないかと思っております。しかもコロナだけではなく、インフルエンザや溶連菌など、様々な感染症が流行っているという状況ですから、鑑別してそれを区別していくのもなかなか難しい状況があります。

そして、最近『マイコプラズマ』を見かけることも増えてきました。まだ統計上は著しく増えているという状況ではなさそうですが、これから増えてくることが予想される感染症と考えられます。

マイコプラズマという少し聞きなれない名前かもしれません。

けれども、子供では比較的肺炎の原因として多いものなんですよね。マイコプラズマが菌なのかいう点もあるかもしれませんが、今回はマイコプラズマを細菌として取り扱いたいと思います。

マイコプラズマは、ウイルスや細菌のちょうど真ん中ぐらいの性質を持っており、昔の方々もなかなか捕まえることが難しく、それを最終的に見つけるまで、それが認められるまでにはかなりの時間を要しています。


マイコプラズマの発見と、その歴史。

今回はマイコプラズマに関して、発見の歴史に関して簡単にお話をさせていただきたいと思います。

さて、肺炎を引き起こすマイコプラズマ、そのなかでも『マイコプラズマ・ニューモニエ』という細菌は、小児の肺炎の重要な原因菌であるということがわかっており、一般的な肺炎の20%から30%を占めると考えられています。

特に6歳以上の肺炎の半数以上がマイコプラズマが原因ではないかという報告もあります。

最近は疫学的にその全体的な肺炎の原因の中でそこまで多くはないような状況があります。それは皆さんが感染症に対する対策を続けていたからなのですが、そういった意味でマイコプラズマに対して今、感受性が高まっている人が逆に増えているような状況があります。

ですので、これから増えてくる可能性があるということを頭に入れる必要性があるというのが背景にあるわけです。

動物の胸膜肺炎の原因としてみつかったマイコプラズマ・ミコイデス


マイコプラズマと言ってもたくさんの種類があります。
その中でも最初に見つかったマイコプラズマは、現在マイコプラズマ・ミコイデスと言われる菌です。
1898年にエドモンド・ノカールという細菌学者によって見つけられました。その菌は牛の胸膜肺炎の原因菌として知られていました。胸膜炎とは肺の周りの膜、すなわち胸膜が炎症を起こすことを意味しており、胸膜肺炎の原因菌とわかったのですね。

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