ピーナッツを5歳まで食べ続けて予防したピーナッツ耐性は、思春期まで継続するか?:LEAP-Trio試験|2024年11月1日
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ピーナッツアレルギーの予防には、乳幼児期からの早期摂取が鍵となりますが、さらに長期的な研究が行われました。
■ ピーナッツアレルギーは、日本でも少なくなく、多くの場合、幼児期に発症し、一生続く可能性があります。
■ 2015年のLEAP試験では、ピーナッツアレルギーのリスクが高い赤ちゃんにピーナッツを早くから5歳まで食べさせると、ピーナッツアレルギーの発症を大幅に減らすというエポックメイキングな研究でした。
■ 具体的には、ピーナッツを食べた子供たちの3.2%しかアレルギーを発症せず、ピーナッツを避けていた子供たちの17.2%がアレルギーを発症していたことから、81%の発症リスク減少がみられたとされました。
■ さらにその後の研究で、5歳に達した子どもたち全員にピーナッツを1年避けてもらってももこの効果が続くことが分かりました。
■ しかし、さらに長い期間、この予防効果が続くのかはわかっていませんでした。
■ そこで、そのLEAP試験に参加した子どもたちが思春期(12歳)に達するまでその効果が続いているかどうかが調査されました。
■ また、「寛容」といって、特別に意識して食べ続けなくてもアレルギー反応が起きない状態が長続きするかを確認することも目指されました。
■ 試験の名称は「LEAP-Trio試験」と名付けられています。
※乳児期に粒のピーナッツを食べるのはリスクがあります。開始時は医師の指導を要すると思われます。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
LEAP試験に参加した640名のうち508名(79.4%)を対象とし、乳幼児期のピーナッツ摂取群と回避群における144ヶ月(12歳)時点でのアレルギー発症率を比較検討した。
✅️ 144ヶ月時点でのピーナッツアレルギー発症率は、摂取群が4.4%(251名中11名)であったのに対し、回避群では15.4%(246名中38名)と有意に高値だった(P<0.001)。
【簡単な解説】 赤ちゃんの頃からピーナッツを食べていた子どもは、食べていなかった子どもと比べて、12歳時点でのアレルギーの発症率が約3分の1と大幅に低かった。
✅️ 摂取群では、一時的にピーナッツを避けた期間があっても144ヶ月までに摂取を再開した際にアレルギー反応を示さず、幼少期からの摂取による耐性が思春期まで持続することが示された。
【簡単な解説】 赤ちゃんの頃からピーナッツを食べていた子どもは、途中で食べるのを一時的に中止しても、再び食べ始めた時にアレルギー反応を起こさなかった。これは、早い時期からピーナッツを食べることで得られた体の抵抗力が、12歳まで続くことを示しています。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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