早期離乳食開始をしても食物アレルギー予防に結びつかなかったオーストラリアで、食物アレルギーの発症に関連した因子は何だったのか?|2025年1月4日
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離乳食を早期導入しても、乳児期の食物アレルギーは減らない?早期導入後の食物アレルギーの発症要因を探る研究が発表されていました。
■ 乳児期早期に、ピーナッツや卵などのアレルギーを起こしやすい食品を導入することは、食品アレルギー予防のために効果が高いとされています。
■ しかしオーストラリアのメルボルンでは、ガイドラインに従ってピーナッツを早くから与えていても、ピーナッツアレルギーの率が高いことがわかりました。
■ さらに卵アレルギーや、全体的な食品アレルギーの頻度は、早期に離乳食を開始した児達ではまだ詳しく報告されていませんでした。
■ 一方で、生後6か月より前にアレルゲンに触れたときでも、初めて食べたそのときにアレルギー反応を起こす赤ちゃんがいると報告されています。
■ そのため、アレルギーになりやすい要因のうち、食生活や環境のように変えられる要素(修正可能な要因)を調べて、新しい予防策を考える必要があります。
■ ただし、これまでの多くの研究はアレルギー食品の導入を遅らせた赤ちゃんを中心に行われており、早い時期に導入してもアレルギーを起こすケースの原因はあまりわかっていません。
■ そこで、最近の研究で、生後1年以内にアレルゲンを導入するのが一般的なメルボルンの赤ちゃんを対象に、(1)どれくらい食品アレルギーがあるのか、(2)生後6か月までにアレルゲンを与えていてもアレルギーになってしまう赤ちゃんの特徴は何か、(3)変えられる生活環境や食習慣がどのようにアレルギーに影響しているのかが調査されました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
オーストラリア・メルボルンにおいて2017年から2019年にかけて1,420人の11-15ヶ月齢の乳児を対象とし、4種類の食物(ピーナッツ、卵白、牛乳、カシューナッツ)に対する皮膚プリックテストと保護者へのアンケート調査を実施した。
✅️ ほぼすべての乳児が1歳までにアレルゲンを摂取していた集団において、食物アレルギーの有病率は11.3%(95%信頼区間:9.6-13.4)と高値を示した。
【簡単な解説】 赤ちゃんの頃から卵やピーナッツなどを食べさせていても、9人に1人の割合でアレルギーが発生してしまうことが分かった。
✅️生後6ヶ月までに抗生物質を使用した乳児では、ピーナッツアレルギーのリスクが大きく上昇し(調整オッズ比=6.03、95%信頼区間:1.15-31.60)、特にアジア系の両親を持つ乳児や早期発症のアトピー性皮膚炎を有する乳児でアレルギー発症が多かった。
【簡単な解説】 生後半年までに抗生物質を使った赤ちゃんは、ピーナッツアレルギーになりやすく、特にアジア系の赤ちゃんや、湿疹のある赤ちゃんは、早めに食べ始めてもアレルギーになりやすいことが分かった。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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