見出し画像

アトピー性皮膚炎に対するデュピルマブの5年間の長期効果と中断率は?|2024年10月8日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(スタンダード・アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)



デュピルマブは、アトピー性皮膚炎などの治療に使用される新しい薬剤です。長期使用の効果と安全性に関して、知見が増えてきています。

■ デュピルマブは、アトピー性皮膚炎(AD)に使用される生物学的製剤です。
■ 日本では2018年に成人から使用できるようになり、小児では2023年から生後6ヶ月から使用できるようになりました。

■ その後、デュピルマブは他の病気にも使えることがわかり、重症喘息、慢性鼻副鼻腔炎、好酸球性食道炎、結節性痒疹などの治療にも使われています。

■ 最近の研究では、デュピルマブの使用間隔を延ばしても効果があり、安全であることがわかってきました。

■ しかし、ADは慢性的に長く続く病気です。
■ この薬を長く使い続けた場合の効果や安全性を調べることが大切です。

■ 先行研究では、最長で4年間の使用結果が報告されていましたが、日常の診療での研究では2年間までしか見ていませんでした。
■ そこで、成人に対する検討ですが、5年間という長期間にわたって多くのAD患者さんを調べ、デュピルマブの効果を評価した報告がなされました。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

オランダの14病院でBioDay登録システムを用いて特定された1286人のアトピー性皮膚炎患者(130人の小児、1025人の成人、131人の高齢者を含む)に対し、最長5年間のデュピルマブ治療が行われた結果を検討した。

多くの患者で湿疹の重症度(EASI)とかゆみ(NRS)が改善し、5年間の治療期間中、それぞれ78.6%から92.3%、72.2%から88.2%の患者がEASI 7以下およびNRS 4以下を維持した。

【簡単な解説】 多くの患者さんで、湿疹の症状とかゆみが良くなり、その効果が5年間続きました。

306人(23.8%)の患者が平均54週間後に治療を中断したが、その主な理由は副作用(7.6%)と効果不足(6.6%)だった。

【簡単な解説】 約4人に1人の患者が、主に副作用や効果が十分でないという理由で、1年ほどで治療をやめました。



以下は、論文の解説と管理人の感想です。

ここから先は

4,373字 / 5画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊