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【ご質問に答える】アトピー性皮膚炎のある子どもの陰部のかゆみに対する治療の話|2024年12月30日

こんにちは、ほむほむです。
このチャンネルでは、子どもやアレルギーの健康情報を、5分程度でざっくりと解説しています。それでは早速始めてまいりましょう。

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はじめに

アトピー性皮膚炎による陰部の治療に関するご質問をいただきました。
小さいお子さん、幼児や学童の男の子・女の子を問わず、特に夏場に陰部を痒がってしまい、時には出血するほど引っかいてしまうケースがあります。
年齢的に「かかないようにしよう」と言っても難しいことが多く、繰り返される掻破によって皮膚が肥厚し、湿疹が長引いてしまうというお悩みがあるようです。
さらに、陰部にステロイド外用薬を塗ることに抵抗がある方も多く、治療の選択肢をどうすればいいかというご相談をよくいただきます。
実際、アトピー性皮膚炎のお子さんや大人の方においても、陰部の湿疹にはなかなか難しい面があるのではないでしょうか。

陰部へのステロイド外用薬の難しさ

陰部は、全身の中でも吸収率が高い場所です。
特に陰嚢部などは、腕の内側の42倍ものステロイド吸収率があるとされ、長期間塗布すると副作用が起こりやすいと知られています。
以前の報告には、非常に強いステロイド外用薬をおむつ皮膚炎に長期間使い続けた結果、全身に吸収されてクッシング症候群のような症状を起こしたという事例もあるそうです。
クッシング症候群は、体内のステロイドホルモンが過剰になる病気として知られていますが、外用薬を吸収しやすい部位に閉鎖的な状態で長期間塗ると、そのような副作用が起こってしまう場合があるということです。

PDE4阻害薬ロフルミラストの海外報告

こうした陰部の治療の難しさから、最近注目されているのがPDE4阻害薬の外用薬です。
海外では、ロフルミラスト0.3%クリームを使った報告があり、ほかの治療で十分な効果を得られなかった重症の陰部湿疹を持つ成人3名に対して、痒みや皮膚症状が改善したという症例が示されています。
日本ではロフルミラストのクリーム製剤は使えませんが、同じ作用機序を持つ外用PDE4阻害薬として、ジファミラスト(商品名モイゼルト)が保険適用となっています。
アトピー性皮膚炎による陰部の痒みに対しても、適切に使用できる可能性があるのではないかと思われます。

ジファミラスト(モイゼルト)の使用経験

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