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デルゴシチニブ(コレクチム)の0.25%と0.5%の有効性と安全性の差は?|2024年10月28日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アトピー性皮膚炎の新薬デルゴシチニブ軟膏の2つの濃度(0.25%と0.5%)の効果と安全性を、子どもを対象に比較した研究の報告

■ デルゴシチニブ(コレクチム)軟膏は日本でもアトピー性皮膚炎に使える新しい薬で、0.25%と0.5%の2種類があります。
■ 6ヶ月以上の子どもから大人まで使えますが、子どもには主に0.25%を使い、症状が強い時だけ0.5%を使うことになっています。

■ では、2つの濃度の有効性や安全性の違い、もしくは他の薬と一緒に使っても大丈夫でしょうか?

■ そこで、デルゴシチニブ軟膏に関する2つの臨床試験(QBB2-1試験とQBB4-1試験)のデータを改めて検討し、デルゴシチニブ軟膏0.25%と0.5%の効き目を比較し、副作用や他の薬と一緒に使っても安全かどうかを確認した検討が報告されました。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

小児アトピー性皮膚炎患者を対象に、デルゴシチニブ軟膏0.25%製剤と0.5%製剤の有効性を最大4週間、安全性を56週間の評価を、2つの臨床試験データの事後解析として実施した。
✅️軽症患者において、症状が消失またはほぼ消失した割合は0.25%軟膏で46.2%、0.5%軟膏で71.4%、基剤で7.7%だった。
【簡単な解説】
症状が軽い患者では、濃度の高い0.5%の方が効果が高く、約7割の患者さんで症状がほぼ改善しました。一方、薬の成分を含まない基剤では、ほとんど効果がありませんでした。
✅️デルゴシチニブ軟膏の安全性は、濃度の違いや他の薬(ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏)との併用でも大きな差は見られず、治療関連有害事象の発生率は全体で9.7%だった。
【簡単な解説】
この薬は、濃度が0.25%、0.5%と異なっても、また他の塗り薬と一緒に使用しても安全性に問題はありませんでした。副作用は10人に1人程度で発生しましたが、重大な問題は起きませんでした。



以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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