
アトピー性皮膚炎の発症前には、どのような微細な変化が皮膚で起こっているのか?|2024年10月27日
■ ブログで公開した内容の深掘りです。
( 本記事は、メンバーシップ(アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)
赤ちゃんの皮膚バリア機能の変化と、アトピー性皮膚炎発症の関係を探る新たな研究成果が注目されています。
■ 世界的に見ると、アトピー性皮膚炎は4歳未満の小さな子どもで最も多く見られます。
■ 1歳までに診断されることが多いことがわかっていますが、のちにアトピーを発症する赤ちゃんでも、生まれた時には症状が見られません。

■ アトピー性皮膚炎では、皮膚の「バリア機能」と呼ばれる防御システムが上手く働かなくなっています。
■ 見た目は普通の皮膚でも、microscopic(微視的)なレベルで構造が乱れていて、そのために炎症が起きやすくなっていることがわかっています。
■ 具体的には、3つの問題が起きていると考えられています。
1) 皮膚の脂質の並び方が乱れる
2) タンパク質を分解する酵素が必要以上に活発になる
3) 皮膚の水分を保つ成分(天然保湿因子)が減少する
■ この視点で検討が行われました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
英国に居住する満期正常分娩の健康な単胎児180名(<72時間齢)を対象とし、産科病棟と自宅で生後12ヶ月まで、生体物理学的検査、赤外分光法による皮膚表面分析、およびテープストリッピング法による角質層評価を実施した。
✅️フィラグリン遺伝子変異を持つ乳児の割合は13%(99人中13人)で、アトピー性皮膚炎を発症した群では35%、発症しなかった群では8%と明確な差が認められた。
【簡単な解説】
皮膚の健康に重要なフィラグリンという遺伝子に変異がある赤ちゃんは、アトピー性皮膚炎になりやすいことがわかりました。
✅️生後4週時点で、後にアトピー性皮膚炎を発症した乳児では、天然保湿因子が15%少なく、水分量が7%低く、出生時には皮膚表面の脂質が27%多いという特徴が認められた。
【簡単な解説】
生まれてすぐの時期に、肌の保湿力が低く、水分が少なく、皮膚の表面の脂質が多い赤ちゃんは、後にアトピー性皮膚炎を発症しやすい傾向があることがわかりました。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
ここから先は
noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊