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アトピー性皮膚炎に対する全身治療薬、16週間で比較するともっとも効果が高いのはどれか?|2024年11月4日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アトピー性皮膚炎の全身治療薬の治療効果を比較した最新研究が、BJDに発表されていました。

■ アトピー性皮膚炎の新薬が次々と開発されています。
■ しかし、それぞれの薬を直接比べる研究は少なかったのが現状です。

■ しかし、最近の新薬の研究では、「効いた」か「効かなかった」かという単純な判断を重視する傾向にあります。
■ これは、米国のFDAやヨーロッパの医薬品規制当局が、そのような評価方法を求めているからといえます。
■ 最近、ネットワークメタアナリシスを使用して、様々な治療薬の効果を比較した研究が発表されていました。

Chu AWL, Wong MM, Rayner DG, Guyatt GH, Díaz Martinez JP, Ceccacci R, et al. Systemic treatments for atopic dermatitis (eczema): Systematic review and network meta-analysis of randomized trials. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2023; 152:1470-92.


■ そして、さらに新しい研究がBJDに発表されていました。
■ 学会などで引用されることの多い論文ですが、あらためて読んでみました。


この論文でわかったことをざっくりまとめると?

中等度から重症のアトピー性皮膚炎患者22,122名を対象に、8週間以上の全身性免疫調節薬による治療効果を83試験のランダム化比較試験で評価した。

✅️ウパダシチニブ30mg/日とアブロシチニブ200mg/日は、デュピルマブと比較してEASI50達成率が有意に高く(それぞれオッズ比2.5、1.5)、最も効果的な治療薬であることが示された。
【簡単な解説】 ウパダシチニブという薬を1日30mg、またはアブロシチニブという薬を1日200mg使うと、今までよく使われているデュピルマブという注射薬よりも、皮膚の症状がよくなる人が多かったということです。

✅️バリシチニブ(2mg/日:オッズ比0.4、4mg/日:オッズ比0.5)とトラロキヌマブ(オッズ比0.4)は、デュピルマブと比較してEASI50達成率が有意に低かった。
【簡単な解説】 バリシチニブやトラロキヌマブという薬は、デュピルマブと比べると効果が半分程度しかなかったということです。



以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊