ダニの多い環境にいると、甲殻類アレルギーになりやすくなるか?|2025年1月20日
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乳幼児期にダニにさらされると甲殻類アレルギーになりやすい?
■ エビやカニなどの甲殻類アレルギーは、エビやカニを食べたときに起こるアレルギーで、小児期から発症することがあります。
■ 地域によって有病率に違いがあり、アジアでは西洋よりも高い割合(5.1%~7.7%)でエビアレルギーがみられるそうです。
■ エビアレルギーを起こしやすくしている原因の一つとして、ダニ(
ヒョウヒダニ)アレルギーが注目されています。
たとえば、エビに対する皮膚プリックテストの膨疹径が5mm以上あると、ダニ皮膚プリックテストも5mm以上になるリスクが5.31倍になるという報告もあります。
■ エビとヒョウヒダニにはトロポミオシンという共通のたんぱく質があり、それがアレルギー反応を引き起こすことがあります。
■ ヒョウヒダニが増える環境にいるとハウスダストアレルギーのリスクが高まり、エビにも反応しやすくなるかもしれないと考えられています。
■ ただし、今のところはエビ「感作」とエビ「アレルギー」をはっきり区別して調べた研究がまだ十分ではなく、ヒョウヒダニがどれだけエビアレルギーに影響するかははっきり分かっていません。
■ そこで、日本の4歳児における甲殻類アレルギーの実際の発症率と、環境中のヒョウヒダニとの関係を調べた研究が実施されました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
Japan Environment and Children's Study(JECS)のサブコホート研究に参加した4,242組の母子ペアを対象とし、生後18か月および3歳時点での室内ダニアレルゲン量と4歳時点での甲殻類アレルギーの関連を前向きに検討した。
✅️4歳児における甲殻類アレルギーの有病率は0.4%であり、アレルギー症状として皮膚症状が最も多く報告された。
【簡単な解説】 調査対象となった4歳児のうち、100人に0.4人(約250人に1人)が甲殻類アレルギーと診断され、その症状は主に皮膚のかゆみや発疹などであった。
✅️生後18か月時点でのダニアレルゲン量(Der 1)は中央値71.2 ng/m2であり、量が多いほど甲殻類アレルギーの発症率が上昇する傾向を認めたが、統計学的な有意差は認められなかった。
【簡単な解説】 赤ちゃんが1歳半の時点で、部屋のダニの量が多い家庭の子どもほど、将来甲殻類アレルギーになりやすい傾向があったが、その差は統計的には差がなかった。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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