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2023年6月6日 【最新論文紹介】アトピー性皮膚炎は、深部静脈血栓症と肺塞栓症を起こしやすくするかもしれない

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症だけでなく、全身性の炎症から他のさまざまな病気の原因になる可能性が指摘されるようになった。

■ アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症をおこす疾患としてはもっとも多いものです。
■ 皮膚バリア機能がさがることから、皮膚の感染症をおこしやすくなったり、もしくは目をこすることから網膜剥離の原因になったり、場合によっては皮膚以外の感染症のリスクにもなることが知られています。

■ しかし一方で、アトピー性皮膚炎が全身性の炎症性疾患にも関係することが注目されるようになりました。

■ 例えば、アトピー性皮膚炎は、心血管疾患のリスクをあげることが知られています。

■ そして最近、台湾からの報告で、アトピー性皮膚炎が静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症・肺塞栓症)のリスクを上げる可能性があることが報告されました。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

台湾の国民健康保険研究データベースにおける成人284,858人のうち、アトピー性皮膚炎の成人142,429人が含まれる群において、静脈血栓塞栓症の発生リスクを検討したところ、

✅ アトピー性皮膚炎があると、アトピー性皮膚炎がない場合と比較して、静脈血栓塞栓症の発症リスクが有意に高くなった(ハザード比 1.28; 95% CI 1.17-1.40 )。


以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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