生後3ヶ月以上の乳児のアトピー性皮膚炎に対するジファミラスト軟膏の治療効果:第3相臨床試験の中間報告|2024年11月10日
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生後3ヶ月から使用できるようになったアトピー性皮膚炎治療薬ジファミラストの治療効果が、中間報告として公開されました。
■ アトピー性皮膚炎は、多くの人が悩む皮膚の病気です。
■ 特徴的な症状は、かゆみと湿疹で、これらの症状により睡眠障害や生活の質の低下、さらにさまざまな合併症やリスクを引き起こすことが報告されています。
■ 日本での治療は、薬による治療、保湿ケア、症状を悪化させる原因を避けることの3つが基本となっています。
■ しかし、2歳未満の赤ちゃんの治療では、使える薬が限られていました。
■ 最近、生後6ヶ月からのデルゴシチニブ(コレクチム)、生後3ヶ月からのジファミラスト(モイゼルト)が使用できるようになりました。
■ しかし、デルゴシチニブは生後6ヶ月からの臨床試験報告がなされたものの、ジファミラストに関しては公開が遅れているようです。
■ そのようななか、生後3-24ヶ月の乳児におけるジファミラストの中間報告が公開されていました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
IGAスコアが2または3で、頭皮を除く体表面積の5-40%がアトピー性皮膚炎の症状を有する3〜24ヶ月未満の日本人乳児41名に対し、0.3%ジファミラスト軟膏を1日2回4週間塗布し、その後48週間は症状に応じて0.3%または1%軟膏を使用する介入を行った。
✅️乳児のEASI 75(症状が75%以上改善)の達成率は、1週目で47.5%、4週目で82.9%、中間報告時で78.1%と高い改善効果を示した。
【簡単な解説】 赤ちゃんの皮膚の症状が4分の3以上良くなった人の割合が、4週間後には82.9%と多くの赤ちゃんで効果が見られた。
✅️ 有害事象は中間報告時点で36例(87.8%)に認められ、最も多かったのは鼻咽頭炎(70.7%)と胃腸炎(22.0%)であったが、その大半は軽度または中等度であり、治験薬との関連性は認められなかった。
【簡単な解説】 副作用として多くの赤ちゃんが風邪のような症状や胃腸の不調を経験したが、これらは軟膏が原因ではなく、軽い症状であった。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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