ポルノグラフィティの「君の愛読書がケルアックだった件」から勝手にイメージした小説1
”想像のハンドルを握って イメージが広げるその先へ”君と行きたいと思ったんだ。
僕の名前は今井晃。どこにでもいる平凡な男子高校生。
そして、たくさんの友達に囲まれて楽しそうに談笑している女の子が新井美羽。美人で優しい彼女は、男子はもちろん、同性からも人気がある。そんな彼女に僕が惹かれるのに時間はかからなかったわけだが、クラスメイトに順位をつけるとしたら僕は下位、彼女は上位であるのは一目瞭然。
このまま遠くから見つめることしか出来ないまま、卒業してしまうのだろうなと思いながら目線を彼女から離した。
「出欠とるぞ~全員、席につけ~。」
担任の先生が入ってきて、全員席につく。騒がしかった教室は静まり、先生の声だけが響く。
先生の退屈な話は無視し、今日はいい天気だな~なんて思いながら窓の方に視線を移した。青い空が目に映る前に、僕の目に映ったのは窓際の席の新井さんの姿。新井さんも窓の外を眺めていた。でもその表情はいつもの明るい彼女の雰囲気からは想像ができない、どこか寂しそうで今にも消えてしまいそうなくらい儚かった。風で揺れている前髪から覗いた瞳は、どこか遠くをただ真っ直ぐに見つめていた。