チャチャっと制作日誌 〜2020.2〜
2020年の制作記録、2月編です。
真冬の候、手術後の私の身体回復もまだまだで。しかも世の中は、例の疫病で不穏な気配が漂い始めた頃ですね。
でも、描いた絵の枚数は多かったです。去夏から何も出来ていない無念をぶつけたかったのでしょうか。
●「Coma」(油彩SMサイズ) ……この世の最後の日、いつもの蜜柑香るあの丘で。
世紀末メルヘンです。Comaとは、「昏睡」または「彗星の頭部」などを意味します。世の中や自分自身に忍び寄る何かを察知していたのでしょうか。ちなみに、大昔にも同タイトルのクレヨン画を描いたことがあります。購入されていったので、どなたかの手元にまだ存在してる可能性があります。多分。
●「漆黒路地から」(木炭画F4)
ハンズ文具コーナーの一角で木炭を見つけたので、試しに買って描いてみようと思ってできた作品。木炭画は初めてでしたが、鉛筆と違ってなかなか扱いが難しかったです。こちらはお嫁入り済。ありがとうございます!
●「sirent warning」(鉛筆+デジタル)
リハビリ病院に入院してるとき、病院の窓から見える報知器と雨をスケッチブックに描きました。退院後、それに着彩した作品。胸を打つ雨音に似た警鐘。わたしがわたしではなくなるかもしれないという、焦りや不安。
●「異邦人」(油彩画F10)
先へ先へと進むしかない。フロンティア精神。だけど何処へ行っても、私は異邦人。強さと儚さを共存させたかった一枚です。子供の頃引っ越しの多かった自分自身と重ね合わせてるようなところもあります。かの名曲「異邦人」も少し聴きながら描きました。のちに、台風19号チャリティー展にも展示して頂きました。
●「この世は夢、まぼろし」(油彩画F3)
タイトルそのままの雰囲気の絵です。背景には京浜急行が。なんとなく全てのものに実体がなく、何をしてもフワフワと実感もなく。一枚ベールを纏ったような、そんな気がしていた時期だったのだと思います。
以上の5枚が2月の絵です。
あらためて見てみると、いつにも増して儚いというか、朧げというか、命を描いてるというか、気味悪いくらい穏やかというか。
私の絵でありながら、今までの私ではないようなオーラが漂っていると感じます。
それがいいものなのか、悪いものなのか…。
次回、3月編に続きます。
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