「呼吸をする」とはどういうことか?
「悪い」とは何か?
「悪い」と判断するからには「良い」状態があるわけで、現在の状態と良い状態を比べたときに、gap があるから「悪い」わけです。
つまり、「良い呼吸とは何か?」をきちんと定義しておく必要があります。
それでは、「呼吸をする」とは本質的にどういうことなのでしょうか。漠然と「呼吸」と考えてみても、なかなかモヤモヤとして、スッキリ、サッパリとはなかなかいきませんね。
「良い呼吸」とは何か?
呼吸とは本質的に「空気を吸って、酸素を取り込み、不要物である二酸化炭素をはき出す」ことです。吸い込むことは能動的に行いますが、はき出すことは基本的に受動的に行われます。
その課程を「分解」してみると、
脳から呼吸のインパルス(息をしなさいという刺激)が出ると、それが神経を伝わって、胸郭の筋肉と横隔膜に伝わって、胸郭が広がります。その結果、肺の中が陰圧になって、空気が自然に吸い込まれます。しっかり肺が広がるとそれが進展刺激になって、一転して呼気に転じます。呼気時は筋肉が弛緩することにより、胸郭が維持できずスペースが小さくなることで肺が押しつぶされて、息が吐き出されます。空気は肺に入るときには上気道、下気道、肺実質と受動的に広がり、肺胞と血液の間で空気が拡散により交換されます。
私たちはこの一連の過程を「意識せず」「労力をかけず」連続して行っています。つまり、良い呼吸というのはこの一連の過程が、「意識せず」「労力をかけず」行えること、いうことになります。逆にこの過程が「障害される」あるいは「努力して」行わなければならない状態は、「呼吸が悪い」と定義されるわけです。
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小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン