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「呼吸が悪い」を捕まえる
前回、「呼吸が良い」を定義し、「楽に息が吸ない」、「受動的に息が吐けない」というGAPがある時を「呼吸が悪い」と定義しました。
では、臨床的にどうやって、「呼吸が悪い」を捕まえれば良いのでしょうか。
「呼吸が悪い」を捕まえる
簡単に言えば、
「楽に吸えない」様子はないか?= 一生懸命息を吸おうとしていないか?
「受動的にはけない」様子はないか ? = 一生懸命息を吐いていないか?
と考えればいいわけです。
具体的には
① 呼吸数・1回換気量(胸郭の持ち上がり方)の変化はないか?
② 呼吸補助筋の使用はないか?
③ 引っかかったような音(= 喘鳴)はしていないか?
④ 横(あおむけ)になれるか?
などを評価します。
これらのチェックに引っかかれば、呼吸を一生懸命している、つまり呼吸努力が増している状態であると判定し、このような状況を「呼吸窮迫」と判定します。
「SpO2 98% なので、呼吸は悪くないと思います」?
SpO2 (経皮的酸素飽和度、血中のヘモグロビンの何%が酸素とくっついているか?)や、血液中の二酸化炭素分圧を「呼吸」の指標として用いる方がおられれます。
SpO2が維持できているということは、呼吸の結果、血中の酸素飽和度が保たれている、ということはいえますが、SpO2や血液中の二酸化炭素分圧は呼吸によるガス交換の「結果」なので、そのプロセスである呼吸の評価はできません。つまり、SpO2がたもたれていても、「一生懸命呼吸した結果」、であれば、やはり「呼吸は悪い」= 「呼吸窮迫」と評価すべきなのです。なぜなら、その呼吸努力が限界に達した瞬間、酸素は取り込めなくなり(呼吸不全)、一気に心停止に到るからです。
「呼吸の評価」はプロセスの評価だ、ということです。
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