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キラーニばら

実はこの夏、バラの苗を一つ衝動的に我がベランダにお迎えした。
「キラーニ(Killarney)」という品種である。

L.M.モンゴメリの小説『マリーゴールドの魔法』の中で、主人公マリーゴールドの(小さい)祖母が大切に育てているバラである。

名前からアイルランドと何か関係がありそうとダブリンに住んでいる友人に聞いてみると、北アイルランドの歴史あるディクソン園芸所で作られたバラだと教えてくれた。

モンゴメリの作品に登場するバラで、しかもアイルランドと繋がりがあるなんてお迎えしない理由を思いつかなかったのも無理はない。

苗が届いたのは、今年一番暑いとされる猛暑の日。お花が見られるのは秋か来春かな、と思っていたが、既に立派な蕾がいくつも付いていたのだった。
そして、今朝になって最初の一輪が開花。濃いピンク色の花だった。花の大きさは思ったより小さく、これは今の時期だからかどうなのか。どちらにせよこんな酷暑の日に咲くなんて本当に健気で泣けてくる。

我が家のバラはピンクばかり。でもそれぞれに個性があり、形も違うし色も同じではないし佇まいも違う。共通しているのは私の疲れた心をほどいて癒してくれる存在であること。末長く大事に愛情を込めて育てていこう。