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ドリトル先生

2024年10月30日(水)雨のち曇り 23.5℃(MCJ082)

好んで良く見ているテレビ番組にEテレの「100分で名著」がある。1ヶ月かけて一冊の本を読み解いていく番組で、今月のテーマは「ドリトル先生航海記」だ。解説は、ドリトル先生好きが高じて自分で翻訳したものを出版した生物学者の福岡伸一さんである。福岡先生の話を聞くことができるのも楽しみで毎週月曜日が待ち遠しかった。

ドリトル先生シリーズは子供時代に読んだことがあるはずだが、今回話を聞いて改めて読んでみたいと思った。やっぱり冒険物語はワクワクするし、大人になった今読んでも、いや大人になった今だからこそ面白く読めそうである。

福岡先生が大人になってからドリトル先生の舞台になった場所を訪れ、スタビンズくんが座っていたと思われる場所に自ら座ってスタビンズくんと同じように足をブラブラさせた話が微笑ましい。その嬉しい気持ちは痛いほど理解できるなぁ。

興味深く響いてきたのはこの言葉。

「生物は基本的には争わない。弱肉強食で常に争いを繰り返しその中で優れたものが生き残っているように見えるが、実際はそうではなく、利己的に振る舞うよりも利他的に、協力・共生したときの方が進化は大きくジャンプする。一方が一方を支配しているわけでもなく支配されているわけでもなく、バランスで成り立っている。それはドリトル先生の物語に反映されているように思う。」

少年のような目をして楽しそうにドリトル先生を語る福岡先生に魅了される。生物学の視点から読み解く深い洞察に唸ることしばしば。なにより愛が溢れている。物語も良かったが、ドリトル先生を語る福岡先生が見たくて番組を見ていたのかもしれない。

さて、私が改めて読んでみるならやっぱり「ドリトル先生の郵便局」かな。


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