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台風7号 関東直撃

2024年8月16日(金) 雨風 28.6℃ (MCJ007)

台風7号が関東地方を直撃。私が住んでいるところでは、朝から雨が降ったり止んだりを一日中繰り返していた。雨が降り始めるとゲリラ豪雨並みの強い雨風となり、パッとやんでしばらくするとまた強い雨が降ってくるという感じで落ち着かなかった。

午前中、雨が止んでいるので買い物に出たが、帰りは土砂降り。傘をさしていたけれど、ほとんど意味をなさず、全身ずぶ濡れになってしまう。そんなわけでそれ以外はずっと家で過ごしたが、嵐の音を聞きながら安全な家でぬくぬくと過ごすのが好きである。

傷だらけの茄子

向田邦子さんはエッセイに「台風接近のニュースを聞くと、私はどうしても、あのことを思い出してしまう、」と書いているが、私にしてみれば、「台風の接近のニュースを聞くと、私はどうしても、向田邦子さんのエッセイ『傷だらけの茄子』を読まずにいられない」である。

誰もが感じるであろう台風が近づいてくるときのソワソワしたあの感じを見事に表現しているし、口には出さないけれど密かに毎度思うことを代弁してくれているようで、何度読んでも飽きることがない。

 くるくる、と思って張り切っていた台風がそれるくらいつまらないことはなかった。
「よかったよかった」
と親たちはよろこび合い、祖母と母は昨夜沢山炊き過ぎたお結びを食べたりしていたが、子供はみんなつまらなそうにしていた。
 いざというときのために、玄関に備えておいた長靴を仕舞いながら、
「チェッ、つまんないの」
というところがあった。
 大人だって、すこしは、なんだ、という拍子抜けを感じているに違いないのに、それはちょっとした口振りやしぐさに出ているのに、そんなことは、すこしも見せないのが、すこし憎らしかった。

向田邦子『霊長類ヒト科動物図鑑』「傷だらけの茄子」より

台風が過ぎ去り、無事に過ごせた安堵の時間が訪れると、すさまじい蝉時雨が聞こえてきた。

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