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心に残る上司からの言葉と行動「今までの人生で忘れられないこと編」


ヨーロッパで働き始めた時のこと

寿司職人の新人でした。

その場所は10坪ほどの小さなカウンターの寿司バーにも関わらずヨーロッパ一の美味しさと人気の寿司屋さんでした。そんな寿司屋さんで隣で僕を支えてくれていた上司はタイ人。

タイ人が寿司を握る!?と思うかもしれないけども、彼らの実力には度肝を抜かれました。オーナーは日本人、そして彼の右腕にもタイ人の女性、そして社員の教育と素晴らしいものを見ました。

とにかく驚いたのがお客さんの多さであり

「こんなに寿司を食べるのか?」っと寿司を求めて並ぶ。。
それが昼間からずっとで従業員はランチを食べる時間などほぼない。

戦場のような寿司カウンターでした。

正方形のカウンターでお客さんに囲まれながら寿司を握る四人の職人のうちの一人として僕はそこにいました。

最初の1ヶ月はまな板しか見ていないくらいの記憶。。

目の前にはお客さんがいるけどもお客さんと話す余裕もありませんでした。でも多くの職人はニコニコしながらお客さんとお話をして、注文を取ったり、手を動かしながらそれを簡単にこなしていました。

いつも忙しい毎日。。

そんな中でもとても記憶に残っている1日があります。

それは隣で一緒に巻を巻いている上司と仕事をしていた時のこと

とにかく巻を巻く。。ひたすら巻を巻く。。

メニュー用の巻を作り、単品の巻のオーダーが入ったらそれを作る。

ちょっと遅れるとオーダーのレシートの紙はトイレットペーパーのように地面につき始める。

それを取ってオーダーとメニューの巻を隣の上司と相談しながら役割分担をして作業をこなしていきます。

目の前に並ぶ何十ものオーダー。

24席しかないのにこの忙しさの理由はこの席の3倍以上のお持ち帰りがあるわけです。そして「お持ち帰りの人は待たせない」というのでとにかくお持ち帰りのオーダーが来るとさらに大変でした。

そんな究極に忙しいある1日

当時も本当に忙しかった。。

ずっとオーダーの注文と作り続ける時間が刻々と過ぎていく

客の足も止まらない。。周りにはゴーっという音も聞こえてくるくらい幻聴も聞こえてくるような時でもあった。。


手を止められない状況がいつもと同じように続く。

会話をしても手を止めることは致命傷になる

1分、1秒が大切な時間。。

そしてお客さんへの対応も忘れない

私たちのパフォーマンスを見るのもカウンターに座っている人たちは楽しそうに見ているところでもありました。

それがこの寿司バーでした。

上司から言われた一言。。あの時も本当に忙しい時でした。

パニクリそうになるくらいオーダーの嵐。。


そんな時にいつも一緒にいる隣のタイ人上司に

「なあ、一休さんって知っているか?」

っと突然聞いてきた。

「一休さん?あの一休さん?知ってるよ。」

二人とも手を動かしながらそんな会話をする

彼:「よし、それじゃ、一休さんやろう!」

僕:「一休さんやろう!?」

一体何をするのだ。。。

そして彼が「スリー、ツー、ワン。。」

と数えると

目を閉じて手をお腹の前に置いて

ぽっつん、ぽっつん、ぽっつん、ち〜〜〜んん!


と一休さんのあのとんちポーズだった。。


タイでも一休さん有名なのか!?

驚いた。。

彼「よし、一緒にやるぞ!スリーツーワン。。」

僕は手を止めて一休さんのポーズを彼と一緒にした

ぽっつん、ぽっつん、ぽっつん、ち〜〜〜んん!


戦場のような嵐の中で時が一瞬止まった。。

1秒でも大切なこの職場で

5秒ほどの一休さんのとんちポーズが

こんなところで外国人と一緒にやるなんて。。


忘れられない最高の時間だった。。

そしてとんちポーズの後

「よし、いくぞ!」っとまた作業に力が入る。。

面白くてずっと笑っていた記憶がある。


とにかく忙しく苦痛な時間の方が何百倍も多い職場

でもそんな苦しかった記憶はほとんど今は残っていなくて


思い出すとあの5秒の記憶の方が楽しかった思い出として残っている


そう考えると人の脳というのは意外といい加減なのだな。。って思う反面

辛い時には是非仲間と一緒に

一休さんのとんちポーズ!


をお勧めしたいと思います。


今日も良い1日を!





#心に残る上司の言葉

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Issei 世界旅人
最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。全国を愛犬と旅しながら地域の習慣や食などをそこにいる人には気づかない素敵な文化などを伝えてより良い楽しい生活になったらいいなと思います。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。