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音楽を批判することについて

久しぶりにサカナクションの山口一郎氏がMCを務めていた番組「NFパンチ」を見返したら、改めていろんなことを感じたので語っていこうと思う。

批判が少ない

「映画や漫画に比べると音楽は批評(特に批判)が少ない」という意見が動画内で何度か出ていた。私もこれには激しく同意する。

「脚本が良くない」、「作画が良くない」みたいな批判は何度か見かけたことがあるが、「メロディーが良くない」、「サウンドが良くない」みたいな批判はほとんど見かけたことがない。これって私だけだろうか。「もっとあっても良いのになぁ」と個人的には思う。

もちろん、メディアによっては批判が見受けられるものもある。例えば、2ちゃんねるとかだと批判的なコメントが結構あったりする。

一応断っておくが、「とりあえず批判しろ」というわけではなくて、「批判できる環境がきちんと整備されてほしい」と思っているだけなのでそこは理解していただけるとありがたい。あと、批判は罵詈雑言とは全く違うということも合わせて理解していただけたらと思う。称賛と同じように批判にも愛があったりする。

「わざわざそんな批判コメントを書く必要あるの?暇なの?」と思う人もいるかもしれないが、私は必要あると思う。「そういう見方もあるんだな」という発見に繋がるし、そこには多様性が生まれる。もちろん「クソ」とか「ゴミ」とかそういうただの悪口は必要ないけど。

音楽批判=人間批判ではない

例えば、誰かが「米津玄師のLemonはメロディーがあまり良くない」と批判したとする。そしたら、全員とまでは言わないが一定数のファンは「お前は米津玄師という人の凄さをわかっていない」「米津玄師はお前と違って天才だ」という風に人間を批判されたように受け取るだろう。しかし、批判した人は米津玄師という「人間」を批判したのではなく、Lemonという「楽曲」を批判したわけなので、そこは勘違いしないほうがいいと思う。ただ気持ちはすごくわかる。

このように音楽の場合、作品と人間が密接な関係として捉えられがちだと思う。というかほぼ「作品=人間」のように捉えられてる気もする。

これは全然悪い捉え方ではないのだが、時折少し違和感を覚えることがある。例えば、それは音楽家の不倫やイジメなどが発覚した際、その音楽家の人間性だけでなく音楽までもがバッシングされた時である。もし彼らの作った音楽が「不倫やめらんねえ!」「イジメ最高!」なんて内容のものだったらバッシングされるのも頷けるけど。

作り手が人間としてどうであれ、素晴らしいものは素晴らしいと私は思う。

批判は作り手に良い影響を与える

例えば、あなたがカレーを作って、家族に食べてもらったとする。もしそのカレーのクオリティがあまり良くないのならば、「美味しい!」とか「料理上手だね」みたいなお世辞よりも、「あんま美味しくない。水を入れすぎ。」とか「食べづらい。野菜をもっと細かく切ったほうがいい。」といった言葉のほうが作り手であるあなたに対して良い影響を与えると思う。(精神的ダメージはあるかもしれないが)

ちょっと、いやかなりずれてるかもしれないが、これは音楽においても同じことが言えるんじゃないかなと思う。






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