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【短文エッセイ】初デート

大学に進学して間もない頃、人生で初めて身内以外の異性と2人で出掛けた。相手は中学の時の同級生。経緯は覚えていないけれど、高3の秋くらいから連絡をとるようになって、受験が終わったら出掛けようという話になっていた。
相手がどう思っていたかは知らないけれど、自分はその人が気になっていたので勝手にデートだと思っていた。

世間一般的な価値観だと大学生で初デートは遅いんだろう。僕はこの時までデートもしたことがなかったのだから、当然ながら恋人がいたこともなかった。

異性と2人というのは緊張した。元々、女子と話すのは苦手だったし、2人で出掛けた経験もないのだから余計に。
でも、長い期間やり取りはしていて、電話もちょくちょくしていた。そのおかげか、初めてにしては良くやったと自分では思う。

順調に進んでいると思ったけれど、僕は会食恐怖症だった。ただ、当時は自分がどんな時に症状がでるか理解できていなかったから今さら嘆いても仕方がない。食事は残してしまった。ちょうどこの時期、蛙化現象がブームだったから「あーこれは蛙化されるだろうな」と思った(笑)

その後はすこし散歩をして解散した。


結果から言うと進展はなかった。このデートから少し経つ頃には連絡をとることもしなくなった。


いい初デートの思い出ではないのかもしれない。だけど、一生忘れない思い出だとは思う。それと、結果云々よりもデートを経験できたことに感謝しなければ。

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