真夜中にしみじみと浸りたい音楽
誰か寄り添ってくれる人がいても、いなくても、一人、音楽に浸りたい夜があります。
今日の自分を日記に記したり、誰かと話す事でフィードバックしたりして自己分析するより、ある音楽を一聴して、「本当に大切にしたい気持ちって、コレだったな」とか「あぁそうか… 本当は自分は傷ついていたんだ。。」と、改めて気付かされた経験はないでしょうか。
今回は、そんな忘れていたもう一人の自分に出会える、優しい音楽を紹介したいと思います。
Dido “Quiet times”
ロンドンの歌姫、Dido(ダイド)です。エミネムに楽曲のネタとして使われた“Thank You”で一躍有名になった彼女ですが、3作目となる「Safe Trip Home」は本当に素晴らしい作品です。
作詞・作曲に加え、自身で演奏も手掛けた今作。彼女のプライベートに肉薄すると共に、もっと深く、人間の持つ根源的な孤独や、それでも繰り返し求めてしまう人との繋がりといった真理にも触れている気がします。
Priscilla Ahn “Wallflower”
アメリカのシンガーソングライター、プリシア・アーンのブルーノートからのデビュー盤に収録されているこの楽曲。「壁の花 私はここにはいない」「でもあなたが隅っこにいたの」と歌う歌詞が本当に最高です。(和訳はコチラ)
またこの楽曲はシンプルでありながら、展開がとてもドラマティックで、ありがちな繰り返しを拒むような強さにも満ちています。後半のパートにはいつ聴いても、ハッと目が覚めるような思いをさせられます。
Sade “In Another Time”
最後はSade(シャーデー)で。寡作で本当に数年に一作品しかリリースしないシャーデーですが、その作品が毎度名作過ぎて困ります(笑)
そんな中から最新アルバム(と言ってももはや9年前)から、この楽曲をオススメします。敢えてのライヴ・バージョンですが、もちろんオリジナルも最高です。
ひとしきり考え込む夜があってもいいと思います。そんな夜にもいつもと同じように朝がやってくる。シャーデーはそんな他の人から見れば何ら変わりない朝でも、あなたにとって少し意味があった夜明けを優しく歓迎してくれます。
人が埋めてくれない、パーソナルな孤独感を、音楽はそっと満たしてくれる。その事に気付けただけで、昨日よりは強くあれるんじゃないでしょうか。