金木犀が香る季節に、恋する音楽
この季節になると、なぜか不意に金木犀の香りが恋しくなる。帰り道、通りすがりの小道、わざわざ寄り道して花を探してしまいます。
いざ見つけようと思うと、そう簡単にはいかないもので、昔ならどこかしらにはあったのになぁ、なんて思ったり。一度嗅ぐと、「あぁ… もうしばらくは嗅がなくていや」と思うくらい強烈な香りなのに、見つからないと欲しくなる。それは何だか、あの頃の刹那的な激しい恋の(ありもしない)再来を求める気分にも似ていて… 。
と、妄想はそこそこに、そろそろ蚊に腕を刺され始めてきたので、曲を紹介したいと思います。
TOSHIKI HAYASHI (%C) “金木犀 feat. 鈴木真海子”
まずはchelmico(チェルミコ)鈴木真海子さんをフィーチャーしたTOSHIKI HAYASHI(%C)のアルバム収録曲から。男なら誰しもがいっぺんにノックアウトされてしまいそうな魅力的すぎるPV(笑)しかも、リリックも「こんなこと言われた日にゃあ… 惚れてまうで!」と言わんばかりの彼女に恋せずにはいられない内容となっています。
金木犀って、どこかニガイ香りなんですよね。ホロ苦い。禁断の恋とか、届きそうで決して届かない恋、それに対して「本当はこうだったらいいのにな」と、夢を見させてくれる。そんな幻覚をもたらしてくれる金木犀の香りと、初々しい大人の恋のイメージをうまく重ね合わせたような楽曲だと思います。
鈴木真海子 “Contact TOSHIKI HAYASHI (%C) remix”
さてさて、そんな男のアホな妄想はさておき、女性側からのアンサー・ソングがこちら。今度は逆ですね。鈴木真海子さんのソロをTOSHIKI HAYASHI(%C)がプロデュース的にremixした形となっています。
OKなのかNGなのか、続くのか終わりが見えている恋なのか。ハッキリさせたい気持ちと、このままの関係を崩したくないもどかしさの狭間で胸を苦しめる乙女心。生々しい心境をホロ苦くもスタイリッシュなサウンドが、うまくお化粧してくれています。彼女のフロウ(歌い回し)もしっかりと芯があり、女性の強さと現実的な本質が伝わってきます。
Daughter: NPR Music Tiny Desk Concert
さてさてこのままだと、ただの熱狂的な真海子さん信者で終わってしまうので(まぁ… その、否定はしませんが… )、最後にロンドンの素敵な3ピース、Daughter(ドーター)のTiny Desk Concertを。最近またTiny Deskをチェックしているのですが、この番組は本当にハズレがありませんね!
Daughterの魅力は、どちらかと言えば「怨念系」なのに、ドライな音ざわりでクールに仕上げしまうところでしょうか。Vo. エレナの歌声もちょうどいい引っかかり具合で、心の琴線に触れてくれます。
金木犀の強烈な香りに誘われて出会う2人。初めは姿・形を愛でていても、お互いのギャップを知る。そこでダメになってしまう恋もあれば、優しいだけかと思っていた相手が、実はしっかりとした強さを持っていたと気付くとき、それが本当のスタートとなることもあります。僕はどうしても、その本質的なところまで掘り下げて表現している音楽に惹かれてしまいます。
いかがでしたでしょうか。今回は「金木犀」と「恋愛」という、いかにもウケそうにないお題でした(笑)「今は恋愛より条件だよ、条件!」と言いたくなる気持ちも分からなくはないですが、僕は恋バナ、好きですよ。それもバカなお話の方が何か素敵だなぁと。いくら社会が進歩しても、恋もできない世の中なんかつまんない。たくさん音楽を聴いて、たくさん切ない恋をしてみませんか✨👋🏻
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