唐揚げ丼でトリップ
昨日からやたらと大学時代のことを思い出す。
きっかけは何だったかわからないが、さつまいもを掘り起こすように、地下に眠っていた暗い記憶がズズズズズと地響きとともに芋蔓式に引き出されていく。
そんなわたしがたまたま今日寄った場所で食べた唐揚げ丼が、大学のカフェテリアで食べたチキン竜田丼と同じ味だった。
ガリっとした硬めの衣がベージュ色で、刻みのりと褐色のタレがたらりとかけられている。
ガリ、ジュワッと肉を頬張ると、全面ガラス張りで明るくて若者のやたらと明るい声に満ちたあの空間へトリップした。
それと同時に思い出したのは、いつもレジに立っていたカフェテリアのおばちゃんのこと。
カラッとした雰囲気でずらりと並んだ学生たちの会計を淡々と済ませる白髪のショートカットのおばちゃん。
栄養バランスを全く気にせず、好きなものだけを置いたトレイを見せるのが気恥ずかしかった。
あれからン年。
大学から遠く離れたここで、唐揚げ丼を食べる。
これからいつでも食べられると思うと涙がほろりとこぼれた。