「本のまとめ動画」の著作権は?
「本のまとめサイト」「本の要約動画」なるものが存在します。
話題になった本、感銘を受けた本などを要約して動画にします。ブログで他者の本を紹介します。
「これは著作権法上、大丈夫なの?」と気にされている方が多いです。
・著者のアイディア、考えを述べるならOK
例えば、「著者は、人間はいくつになっても、生きがいを持つべきである、と考えています」のように、本に書かれている著者の考えを自分の言葉でまとめるのはOKです。アイディアには著作権がないからです。
・本の文章を引用するのもルールに則ればOK
引用は著作権法32条で認められています。その際、そのまま一字一句違わずに引用した方がよいです。
例 著者である○○氏は、「人間は、いつまで生きがいを持って生きるべきであるから、70歳になっても仕事があればそれを続けるのが良い選択である」と述べており、私も同感です。なぜなら、~
⤴
このように自分の考えの補強として著者の本を引用するのは大丈夫です。
しかし、自分の考えも述べずに、引用がほぼ100%であるようなサイトや動画は著作権法違反になる可能性が高いので、注意すべきです。
・本の表紙の画像は?
本の表紙画像をアップロードすることはよく行われ、黙認されている現状もあります。しかし出版社がルールを決めている場合もあるので、確認が必要です。
特に、表紙の絵には著作権があり、これをアップロードすると、厳密には公衆送信権の侵害になります。
しかし、Amazonの書籍ページのリンクを貼ることは普通に行われているので、この方法を撮るのがよいでしょう。これであれば本の表紙画像も自然に映りますし。
・本の中味画像のアップロードは?
本の中味の写真に撮ってアップロードするのはNGです。これは複製権の侵害になります。
・本のタイトルは自由に使ってよい?
本のタイトルに著作権はあるでしょうか?
ありません。
ニュースタイトルには創作性がなく、著作権が認められなかった事件があります。
例えば、以下のタイトルは「ありふれた表現で創作性なし」と裁判所で判断された事件があります(平成16年3月24日、東京地裁)。
「マナー知らず大学教授,マナー本海賊版作り販売」
「「喫煙死」1時間に560人」
「男女3人でトンネルに「弱そうな」男性拉致」
「スポーツ飲料,トラックごと盗む…被害1億円7人逮捕」
本のタイトルも同様であり、多くの場合、本の内容をそのまま表したり、ありふれた表現であることが多く、著作物とは認められません。
したがって本のタイトルをブログや動画に記載しても、著作権侵害にはなりません。