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声を真似されたら?
声優の声をAIに学習させることが行われています。
「声が無断で販売されていた!」
という驚きから、声優さんたちが立ち上がり、
「NO MORE無断生成AI」
という運動が起こっています。
「日本俳優連合」「日本声優事業社協議会」などが賛同団体となっています。
著者は作品を自分の子どものように考えているという話を以前しましたが、声優さんたちにとって「声」は自分の一部です。
これを無断で使用されるのは、自分が知らないところで無償で演技させられているようなものです。
では、「声」に著作権はあるでしょうか?
残念ながら、「声」の著作権はありません。
では「声」を真似されたらどうしたらよいでしょうか?
著作権法には、「実演家の権利」があります。
「実演」は、
著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠すること
であるため(著2条1項3号)、「セリフを述べていること」も実演です。
声優が声で演じることも当然、「実演」です。
実演家には「録音権」があります。
例えば、声優や俳優の実演を無断で録音されたら、録音権の侵害です。
AIに学習させるために、声優の「声」は一旦は録音されているはずですから、録音権の侵害と主張することができます。
パブリシティ権の侵害も
「声優◯◯さんの声で・・・」
とアピールして、読み上げたり、セリフを言わせた場合は、パブリシティ権の侵害になり得ます。
パブリシティ権とは?
有名人の名前や肖像は、商品に付けることにより、商品が売れるようになる、という経済的価値を持っています。
商品の広告にも有名人を登場させるのと同じように、その人の名前や肖像を出すだけで、商品の売れ行きが瀑上がりするからです。これはその人の名前や肖像が持っている経済的価値です。
これがパブリシティ権です。
「声優◯◯さん」という名前を出すことにより、その声を聴いてもらえる機会が増えるのは、その声優がパブリシティ権を有しているからです。
名前を無断で登場させることは、この権利の侵害といえます。
もし、声優の顔も出したら、肖像権の侵害にもなるし、写真の著作権の侵害にもなります。
「NO MORE無断生成AI」を訳してみました
NO MORE unauthorized creation by AI
でどうでしょうか?
無断の unauthorized(承認されていない)
AIによる生成 creation by AI
NO MOREは「これ以上~しない」という意味なので、
これ以上結構です
No more, thank you.
のように使えます。