カラオケの様子を配信してはダメ!
カラオケを歌っている動画を配信すべきではありません。
これを教えてくれる判例があります。
カラオケ店舗で「私らしく生きてみたい」(Little Glee Monster)という楽曲をカラオケとして歌い、その様子を動画撮影して、YouTubeにアップロードした人がいました(被告)。
この行為が、(株)第一興商(原告)の送信可能化権を侵害すると裁判所で判断されました。
原告はこの楽曲のレコード製作者に該当します。
レコード製作者とは、レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう(著作権法2条1項7号)。
原告は、この曲のカラオケ用音源を作成しました。業務用通信カラオケ「DAM」にその音を最初に固定したため、レコード製作者に該当します。
レコード製作者は送信可能化権を有します。
著作権法96条の2
レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。
送信可能化権とは、簡単に言えば、インターネットにアップロードすることです。
カラオケを歌っている姿をインターネットにアップロードすることは、レコード製作者の送信可能化権を侵害します。
被告はYouTubeから動画を削除しました。さらに、記録媒体(メモリ、ハードディスクなど)からもこれを消去することを命じられました。
ところで、カラオケ店は多くの場合、JASRACから包括許諾を受けています。
これは、JASRACが管理するすべての楽曲についての利用許諾です。
使用料は、カラオケボックスについては、
1部屋(10名まで)は、月額4,000円
〃 (30名まで)は、月額8,000円
・・・
のように部屋の定員に応じて決まっています。
このようなカラオケ店の入り口には、「JASRAC契約店(日本音楽著作権協会)」のステッカーが貼ってあります。
カラオケの窓口|音楽著作権とJASRACについてカラオケの窓口 音楽著作権とJASRACについて
しかし、これは著作権(複製権、演奏権など)についての許諾であり、客が歌っている様子を動画サイトにアップロードする送信可能化権の許諾ではありません!
そこで、上記のような事件が起こったのです。
カラオケの様子を配信してはダメです!