漫画の早バレは何が問題?
漫画を発売日前にインターネットで公開するいわゆる「早バレ」により、外国籍の2人が逮捕され、執行猶予付き懲役刑や罰金刑が言い渡された、という事件がありました。
「週刊少年ジャンプ」(集英社)を正規ルートで入手し、これをスマホで撮影することで複製して、発売日より5日前に公開、この漫画を英語やアラビア語に翻訳し、海外にも公開した疑いが持たれています。
「早バレ」は何が問題でしょうか?
「発売前の複製とアップロード」「発売後の複製とアップロード」
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どちらも複製権と送信可能化権、公衆送信権の侵害です。さらに無断で翻訳しているあれば、翻案権の侵害です。
「早バレ」だから著作権侵害なのではなく、むしろ早バレによる損害額が大きいことが問題になります。
早バレは発売日を楽しみにしているファンの気持ちを踏みにじるものである、ということが言われます。
しかし一部の読者はむしろ早くストーリーが知りたいと思います。
読者よりも、著者と発行者である集英社の著作権が侵害された方が、問題であると考えます。
海賊版アップロードは売り上げの減少になりますが、早バレによる海賊版アップロードの方が、発売後の海賊版よりも売り上げ減少に拍車をかけてしまいます。購入している人はまだ他に誰もいないからです。
さらに精神的なことを言えば、
海賊版アップロードはもちろん著作権侵害ですが、発売日前の海賊版アップロードは、発売日に読みたいという読者の希望、そして発行日までは読者を心待ちにさせたい、という著者と出版社の希望を打ち砕くことが問題となります。