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リツイートして問題になった事件
リツイートにより、元の写真の氏名表示がトリミングされて消えてしまい、これが氏名表示権の侵害であるか否かが、裁判所で争われた大事件があります。
・写真家が撮影した写真を、自身のホームページに掲載し、
・これを何者か(氏名不詳者)が無断で画像付きツイートの一部として用い,この氏名不詳者のアカウントのタイムラインにも表示された、
・さらに別の者たち(氏名不詳者ら)がこれをリツイートしたことで、この氏名不詳者らのアカウントのタイムラインに表示されたこと
・リツイートしたときに、元画像の上下がトリミングされて撮影者の氏名表示部分が表示されなかったということです。
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これは、Twitterがそのような仕様になっており、クリックすれば元画像を表示でき、氏名が表示されるのですが、
最高裁では、リツイート者が撮影者の氏名表示権を侵害したと認定されました。
不合理な感じがしますが、
「トリミングされた形で表示させ,本件氏名表示部分が表示されない状態をもたらし,氏名表示権を侵害したものである」と判断されました(平成30(受)1412)。
この事件は、写真家がウエブサイトに掲載した写真を何者かが無断でツイートし、これをさらに何者かが無断でリツイートしたために、このような判断になったと思います。
写真家が自身が撮影した写真をツイッターに投稿し、これをリツイートしたのであれば、たとえ氏名表示がトリミングされても、このような判断にはならなかった予想します。
ところで、当然ですが、ツイート者も著作者の氏名表示権、公衆送信権などが二審で認定されています。
それにしても、トリミングは恐いものです。ツイート者、リツイート者が悪気がなくても行われてしまう設定になっていることがあります。
例えば、画像を入れるウインドウが小さい場合、上下左右が切れてしまうことがあります。
これが同一性保持権の侵害になるのかは、元の画像の利用規約によります。
改変OKの無料画像であれば、多少のトリミングは許されます。
しかし撮影者の氏名表示についてはカットされることがないように、注意が必要です。