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バンコクからダカールまで39時間移動してみた


バンコクとダカールの緯度はほぼ同じで、ひたすら西へ12,500kmの移動となった。

8月21日夜。用事があり滞在していたタイ・バンコクから直接ダカールに向かう。

バンコクに2つある空港のうち大きい方のスワンナプーム空港まではBTS(韓国アイドルグループではなく、バンコク・スカイトレインの略。)とエアポート・レール・リンク(という鉄道の路線)を乗り継いで向かう。泊まっていたホテルがBTSの駅直結なので非常に楽。62バーツ(約250円)。タクシーで行くと700バーツ(約2800円)くらい取られるのでバーツ難の自分には非常に助かる。

スワンナプーム空港ではいつもお世話になっている例のフードコートで最後のタイ料理を嗜む。残っている手持ちのバーツをすべて使って、パッタイとプーパッポンカレー(蟹と玉ねぎ、卵のカレー)を食べた。パッタイは麺が固く、プーパッポンカレーは玉ねぎが生っぽく、正直どっちも渋かった。客が多かったのもあると思うが、もうちょっと辛抱強く調理してもらえると嬉しい。

タイといえばこれ、パッタイ。
プーパッポンカレー、タイのカレーで一番おいしい。

エチオピア航空のチェックインカウンターでスーツケースを預ける。BKK→ADD→DSSの航空券が発券され、これからセネガルに行くという現実を目の前にしてワクワクが止まらない。なおその後、洗顔料が120gあるのを忘れて手荷物に入れてしまっており、没収されて萎える。

アジア有数のハブ空港、スワンナプーム空港。

ここで友人の別便の飛行機を見送って10日ぶりに一人になる。待望のシンガポール航空ラウンジへ。スワンナプーム空港を利用するときは毎回必ずといっていいくらいシンガポール航空のラウンジを利用しており、クオリティが非常に高い。23時で閉まるらしく、30分くらいしかいられないことが判明。お腹いっぱいだったのでチャイを飲みながらココナッツとハーゲンダッツを食べる。

ハーゲンダッツ食べ放題とココナッツ飲み放題はうれしい。

搭乗口に移動し、飛行機に乗りこむ。いろんな国のパスポートが見えたけど、日本人は俺だけじゃないかな。想像してた通り?中国人が多め。

エチオピア航空ET609便で経由地のアディスアベバに向かう。

俺の2席横の人はナイジェリア出身の若いお兄さんでベトナムに旅行に来ていたらしい、Whatsappを交換して最初のWhatsapp友達に。俺の横の人も同じくナイジェリア出身のおじさんで口数は少ないが優しい人だった。早速、3人で協力してコンセントが充電できない問題に立ち向かうも無理だった。エチオピア航空の機体はこういうことが多いのでしゃーない。

飛行機はガチの満席で離陸。このとき人生で一番じゃないかと思うほど飛行機が激しく揺れ、飛行機で体が宙に浮いたのは初めての経験だった。飛行機中に悲鳴が響き、スプラッシュマウンテンみたいでぞくぞくした。

離陸後すぐに眠くなってきたが、シンガポール航空のラウンジを出て以来水を飲んでないので、喉の渇きとの戦いだった。CAさんに水をもらってうたた寝していたが、ご飯で起こされる。前の席の韓国人夫婦が英語を全くしゃべれず、Chicken or Beafで1分以上迷っていた。僕の横のおとなしいおじさんがすかさず舌打ちしていた(笑)。
事前注文しておいたシーフードの特別メニューを食べる。川魚の味がすこし渋かったが、スモークサーモンのサラダはおいしかった。全体的に食欲がなかったので軽く食べて入眠。

夜中にCAさんに叩き起こされて使っていなかった毛布を回収される。唐突な寝起きに英語でぺちゃくちゃやられても英弱には当然聞きとれない。横のおじさんが助け舟を入れてくれた(神)。
朝ごはんでまた起こされ、全食シーフード生活。これまた川魚が渋め、フルーツがうまい。軽く食べて着陸まで入眠。ずっとタイで活動していた疲労もあり、飛行機移動中無限に寝れる。

深夜2時とかだけど離陸してすぐ夜ご飯。
朝からしっかりめの朝食が出てきた。

着陸30分前、ここで異変が起きる。フライト情報を垂れ流していたモニターを見ると目的地がジブチ(Djibouti)に変わっていることに気づく(!?)。
その直後、機長から悲しい声で(笑)アナウンスがあり、20m先が見えない濃霧のため着陸許可が下りずジブチで機を伺うとのこと。こんな形でジブチに到達するとは思わず、さすがにワクワクが止まらなかった。

アディスアベバ到着寸前で折り返してジブチに着陸。

ジブチに到着、英語アナウンスを聞いていない中国人を中心にアディスアベバに到着したと思い込んで一刻も早く下りるために準備する人で混乱。白い服を着てるCAのリーダー的な人が混乱をまとめててめちゃかっこよかった。
前の方のグラサン中国人ビジネスマンがキレてる中、自分の列の3人は寝たりスマホいじったりこの原稿を書いたりしてのんびり過ごす。

ジブチで軟禁されて4時間経ったころ、6時間飛行機が遅延したら保険で1万円がもらえることを思い出し、少し元気になった。

※後日談で、飛行機の遅延で損害(金銭的支出)が生じないと1万円払ってもらえないとのことで、乗り継ぎの際に支出が生じなかったため1万円は結局もらえなかった。次からは飛行機が遅延したら待っている間にご飯を食べることにします。

軟禁が5時間を超えたころ、キャプテンが説明に来た。どうやらジブチの軍事基地?のスペースに飛行機が止まっているらしく、外にどうしても出れなかったらしい。子供たちは通路を走り回ってるし、前の中国人は相変わらずイライラしているし、カオスである。
5時間半を超えたあたりでそろそろ離陸するから席座ってとのアナウンス。ジブチからアディスアベバまでは1時間くらいで到着、到着後は一同拍手が沸き起こる。

ジブチで6時間軟禁された思い出の飛行機。

アディスアベバのボレ空港、アフリカ最大のハブ空港の割には空港ビルから直接乗り降りできる搭乗口が少なく、バスで移動。空港ビルについたら真っ先にWiFiにかじりつき、関係各所に着いた報告をする。

アフリカ最大のハブ空港、ボレ空港。

ボレ空港での乗り継ぎは3回目なので慣れた足取りで国際線乗り継ぎの保安検査へと向かう。特に問題なく保安検査を通過し、時刻表の乗り継ぎ便を見てみるとバマコ行きは11:40に遅れて出発したとの表示(現在時刻12:30)。焦って搭乗口に行くと飛行機がない。日本から来た同行者と合流して情報収集したところ、折り返しの便も遅延していてバマコ行きは出発どころか到着すらしていないとのこと。

ほとんどエチオピア航空で埋め尽くされているボレ空港の時刻表。

バマコ行きの飛行機が到着して15:00発との表示だったのでそれまでエチオピアコーヒーとインジェラを食べることにする。(インジェラはエチオピアの食べ物で、見た目はクレープ、味はかなり酸っぱい。日本のネットでは色々と書かれている。)インジェラは日本でも2回食べたことがあり、インジェラ単体でも食べれるくらいには好きな食べ物。
本場のインジェラは日本とほとんど同じ味だったが、付け合わせのカレーは日本よりもかなり辛かった。
同行者が酸っぱさを打ち消すため砂糖を吹っかけて食べていたところエチオピア人従業員に大爆笑される。毎日食べるのはしんどいけど三か月に一回くらい食べるとおいしい味。

インジェラwith2種類のカレー。

お店でコーラ買ったときにお店のお姉さんに男なのになんでネイルしてるのってめっちゃ詰められた。
搭乗口に行ってみるとなぜかラゴス行きの表示が出ている。どうやらラゴス行きを先に出発させてからバマコ行きを出すらしい。かと思っていたらヨハネスブルク行きに表示が変わり、搭乗口変更になった。空港ビルから直接飛行機に乗れる搭乗口から、バスに乗る必要がある搭乗口に変更になった。バスが必要な搭乗口は複数の搭乗口が密集していて客の密度が非常に高い。
横の搭乗口ではルアンダ(アンゴラ)・ウィントフック(ナミビア)・アンタナナリボ(マダガスカル)などいろんなアフリカの地名が並んでいて大興奮。モニターの表示がドゥアラ(カメルーン)行きだが係員曰くバマコ行きらしいので(え?)、そこのバスに乗って飛行機に乗りこむ。

飛行機に乗って1時間以上たってからようやく出発(この時点で7時間遅れ)。

気づいたら周りがマリの小中学生の集団に包囲されていた。まさかのジブチ軟禁が霞むくらいこっちの方がカオスだった。子供たちはめっちゃ大声で騒ぐし通路ではしゃいでるし、CAさんがブチ切れてる。エチオピア航空のCAさんって口調が結構きっぱりしてて厳しいイメージがあるんだけどそれくらい言わないと言うこと聞いてくれないお客さんもいるってことだよなと思ってしまった。もうとにかく眠かったので気にせず寝る。

離陸後の食事で起こされる。この食事が初めての当たりだった。エチオピア航空にはこれを期待してたんよ!成田~アディスアベバ便で提供される韓国のキムチが入ってたら100点満点の出来だった(笑)。

この日の夜ご飯。おいしかった。

食べ終わってすぐ爆睡していたらバマコ到着。周りの子供たち含め大量の客が降り、結果1割くらいしか残っていない。この便はマリに入国したりマリから出国する需要がメインなのか。(ターキッシュエアラインズのイスタンブール~ダカール便とかもあるし。)
内戦が落ち着いてまた平和になったら絶対来たい。生きている間にトンブクトゥ行きたいぞ!

バマコ(マリの首都)に到着。
マリの危険情報が真っ赤すぎてさすがに観光できそうにない。

ここで乗ってくる客を少し拾って出発。ここから1時間半のフライトでダカール到着。機内の食事で出てきた軽食のパンは渋め。この原稿を少し書き進めてそれ以外は寝る。バンコク時間だと超深夜だからそりゃ眠い。

ブレーズ・ジャーニュ国際空港(フランス植民地出身者初のフランス国会議員ブレーズ・ジャーニュにちなむ)についてからも飛行機から降りられるまでが長い。空港の作業員も夜中の1時まで残業してるわけだしそりゃあ眠いよなと思う。この辺でようやく日付が変わり8月23日になったことに気づく。時差のせいで8月22日が31時間あったわけだしそりゃ眠い。自分史上一番長い一日だったのではないだろうか(物理)。

アフリカ横断完了。これでも10時間かかった。

ようやく飛行機から降りれた。いきなり入国審査、警備員のお兄さんにそこに並べと言われたから並んだのはECOWASの入国審査ゾーンだった。大丈夫か?と思いつつ行ってみると普通に行けた、お兄さんありがとう。ホテルの場所を聞かれたくらいでビザなしで入国できた。荷物を取って空港を出る、大混乱のボレ空港でロスバゲしてなくて本当によかった。

空港の出口には大量のタクシードライバー。目に入ってくる文字も耳に入ってくる言葉もすべてフランス語、人生で初めて来る世界だ。当然のごとく待ち合わせの運転手だと嘘をついて近寄ってくるドライバー多数。フランス語を話せる同行者がうまく嘘の質問を使いつつ、本物の運転手にたどり着く。ありがとうございます。もう深夜2時なので(!?)足早にホテルに移動。初めてのセネガルの車窓も気になる所だったが、それどころじゃない眠気のため爆睡。

ホテルに着いて、(元々夜ご飯として)用意されてたチェブジェンを食ってシャワーを浴びて深夜4時ごろに寝る。(チェブジェン:魚と野菜とご飯を”油”で炊いた炊き込みご飯。セネガルを代表する料理。超絶うまい。)
ここまでの長時間移動(ホテルを出てから39時間!)は自分の人生の中でも初めてだったし、流石にまあまあ疲れた!!!
なお次の日は8時半起床でした(涙)。

ホテルの部屋の様子。一人で広々と使えて快適だった。
ホテルで用意されていた夜ご飯のチェブジェン。
セネガルに無事たどり着いたことを実感させる味だった。

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