「名前」をつけることは武器になる
あれはアメリカの小学校に転校して三ヶ月ぐらい経った頃に始まったんだと思う。
最初は「なんで二人は私の髪の毛を勝手に撫でたり触ったりするんだろう」と不思議に思いながらも、当時6歳だった私は「クラスで黒髪なのは私だけだから珍しくって触ったりするのかな?」ぐらいにしか思っていなかった。
でも、同じクラスの男の子二人がする「なんか不思議なこと」はだんだん増えていき、教室につくと私の椅子がなかったり、私の筆箱に入っているはずの日本から持ってきた鉛筆を二人が勝手に使っていたりすること