DIAMOND WAVE
こんにちは!
さあ今回もレビューやっていきます!
年代的にはもう15年も遡っています。当時の僕はもう余裕で子供です。(ちなみに、詳しい年齢を言うのは伏せますが、この遡っていくどこかのタイミングで僕は赤ん坊超えます。僕の人生より長い時間倉木さんは音楽活動をされているということで…、なんとも言えない感覚です)
「DIAMOND WAVE」2006.8.2リリース
アルバム概要
アルバムのタイトルの由来は「ダイヤモンドは一生懸命磨くことによって光り輝くように、夢を磨く姿は光り輝いている。倉木自身も1曲1曲を磨き、それらが集まって大きなダイヤモンドにしたい」という思いからだそうです。
また、ツアーでライブをかさねていくことで、倉木さん自身、よりファンを身近に感じられるような、ライブで盛り上がれるような作品にしたいという思いもあったそうで、そういう理由からか、盛り上がれそうで、親しみやすいポップな曲が多いのも特徴の1つです。
1.Diamond Wave
アルバム表題曲にして、24thシングルとして先行リリースされた曲です。シングルかつアルバム表題曲なんてこの曲と薔薇色の人生しかないし、ライブでそこそこ歌われるのにベストアルバムへの収録は20周年のシングルコレクションまで長らく待つことになりました(シングルコレクションでの初収録ラインナップを見ると1番謎な曲です)。
話がそれましたが、こちら、徳永暁人さん作曲のライブアゲ曲に仕上がっています。
自然の雄大さを感じさせる歌詞やサウンドで一体感が抜群です。
2.Ready for love
レゲエ風の曲になっていて、倉木さんのなんとも言えない脱力感に満ちた(褒め言葉です笑)ラップが披露されています。
歌詞にも「Mai Kuraki Looking for music forever」なんて入っていたりして、倉木さんの遊び心もあり、ノリノリで歌っている姿が想像できる一曲です。
3.ベスト オブ ヒーロー
23rdシングルです。シングルバージョンとほんの少しだけアレンジが変わっています。
この曲も徳永さん作曲でアゲアゲな一曲です。(そしてなぜかこの曲でも僕はロックマンを感じます(さては徳永さん、ロックマンを…)好きなものの中に好きなものを感じるのは僕は素直に嬉しいです!笑)とにもかくにもめっちゃ元気がもらえる曲です。
4.Juliet
アゲアゲな雰囲気から一転、叙情的な歌へと移行していきます。タイトルのジュリエットはあのシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のジュリエットがモチーフだそうです。
歌詞はロミオ目線で、ジュリエットへの一途な思いが歌われています。
それよりも注目したいのはこの楽曲を作曲されたのが、GARNET CROWの岡本仁志さんなところでしょうか。詳しくご存知でない方に向けて少し解説させていただくと「GARNET CROW」は倉木さんと同系列のビーインググループに所属していた4人組(男女2人ずつ)のバンドで、女性ボーカルに男性ギター(こちらが岡本仁志さん)とキーボード2人という少し不思議な編成でした。そして結成のキッカケは倉木さんの全米インディーズデビュー時のデモテープ制作の際に集まったときにクリエイター4人が意気投合したことから、という倉木さんとは何とも運命深そうな縁があります。
深そうなと書いたのはGARNET CROWと倉木さんの繋がりが岡本仁志さんの提供曲僅か3曲にとどまっているからです…。作詞は倉木さんご自身でされるので、作詞家でGARNET CROWでは作詞とキーボード担当だったAZUKI七さんとのコラボは厳しかったにせよ、「作詞:倉木麻衣、作曲:中村由利(ボーカルの方で、GARNET CROWの全曲を作曲されていました)、編曲:古井弘人(もう1人のキーボードの方でGARNET CROW全曲のアレンジをされていました)」なんて夢のようなクレジットが見てみたかったという気持ちが未だあります。ちなみにGARNET CROWも名探偵コナンの主題歌を多く担当しており、「夏の幻」「夢みたあとで」「Over Drive」なんかは知っている方もたくさんいるのではないかと思います。
惜しまれながらも2013年に解散してしまいましたが、昨年、デビュー20周年を迎えて期間限定Twitterアカウントが開設されました。再結成とまではいきませんでしたが、長らく映像化されていなかったライブのBlu-ray発売やグッズ販売、そして待望のサブスク解禁など、再び注目を集めています。独特の世界観を持ち合わせていて「お葬式バンド(褒め言葉)」の異名を持つ異色バンドです。ぜひ、倉木さんだけと言わずGARNET CROWの楽曲も聞いてみてください!
GARNET CROW20周年記念Twitterアカウント
5.Growing of my heart
22ndシングル、名探偵コナンOPテーマです。
先ほどはGARNET CROWの話ばかりしてしまったので、倉木さんの話に戻ります。
この曲も「ベスト オブ ヒーロー」同様に、記載はありませんがシングルと微妙にアレンジが変わっています。(ちなみに10周年記念の「ALL MY BEST」にはどちらもこのアルバムバージョンで、20周年のシングルコレクションにはどちらもシングルバージョンで収録されています。ほんの少しの違いなのでどうでもいいですが参考までに)
曲の方ですが、個人的に倉木さんと大野さんのペアの楽曲の中ではトップのカッコ良さを誇っていると思います。大野さんの曲は繊細なメロディが大きな魅力の一つですが、この曲ではそれよりもクールでありながら情熱的な思いみたいなものが伝わってきますね。
ボーカルとしても、これまでになかった(今までレビューした通り今後はそこそこ登場しますが)アップテンポな曲で、倉木さんもブログで歌うには息継ぎが大変とおっしゃっていた記憶があります。
意志の強さを感じる歌詞も相まって、この当時の「これからの倉木麻衣」につながる"序章"のような曲なのではないかと思います。
ですが、この曲のリリース以降、倉木さんの楽曲リリースペースがゆったりになったり、外部クリエイター作品が増えたりということも重なって、大野さんから倉木さんへの提供曲は減少傾向なのが寂しいところです。余談ですが、最近の大野さんはかのZARDのトリビュートバンド「SARD UNDERGROUND」への提供曲が多いです。
6.会いたくて…
今作では数少ない王道バラード、徳永さんの楽曲です。約2年後、映画「大阪ハムレット」の主題歌となり、「ALL MY BEST」に収録され、その後の15周年ベストでも収録され、ライブでもそこそこ歌われるという「FUTURE KISS」収録の「Tomorrow is the last Time」に次ぐ優遇を受けているアルバム曲です。
そんなことはどうでもいいですが、この曲がアルバムの中間地点となっていて、この曲の前後で雰囲気が結構変わる印象があります。まさに"WAVE"の谷の部分になっている感じがいいですね。キャッチーなメロディで歌詞の方もストレートでわかりやすいラブソングです。
7.ホログラム
そのまま温かい雰囲気の徳永さん楽曲が続きます。前回レビューした「ONE LIFE」収録の「BE WITH Ü」と似てる感じなんですが、歌詞の内容は応援歌というよりはラブソング風になっています。正確には恋人ではなく、大切な人に向けた歌という感じでしょうか。
大サビのところは合唱が入れられていて(歌入れはスタッフさんでしょうか?)、ライブでの一体感を持っているような楽曲になっています(にも関わらず僕はこの曲がセットリストに入ってるのを見たことがありません。結構好きな曲なのでいつか生で聞きたいです)。
8.State of mind
今度は大野さんのアップナンバーです。この頃のアルバムは大野さんと徳永さんが入れ替わり立ち替わりやってくるのが楽しいですね。
この曲には歌詞に百人一首と新古今和歌集からそれぞれ和歌が1つずつ入っています。
「天つ風 雲のかよひ路 吹き閉ぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ」
「道のべに 清水流るる 柳かげ
しばしとてこそ 立ちどまりつれ」
の2つです。和歌は残念ながら超専門外(僕はバリバリの理系でかつてのセンター試験の古文漢文はもう見るも無惨でした笑)なので、意味の解説などは控えさせていただきますが(詳しい方お願いします)、この曲をちゃんと聞くにあたって意味は調べましたし(なんちゃって×うろ覚え)、百人一首を学校とかでしたとき「天つ風〜」の歌の札だけは逃したことありません。笑
和歌が登場するのが目玉ではありますが、曲調は決して和風なわけではなくて、夏を感じるポップで可愛らしい曲になっています。「会いたくて…」から「ホログラム」、そしてこの「State of mind」の3曲はかなり好きな曲です。
9.今 君とここに
明るい曲から一転、少しダークな曲になります。
タイトルもメロディもアレンジも少し大人っぽく妖艶な雰囲気が漂う不思議な楽曲になっています。アルバムももう終盤なのかな?と感じさせてくる切なげな曲になっています。
10.Cherish the day
暗めな雰囲気はそのままに、よりクールな曲です。2曲目の「Ready for love」と同様にラップが入ってますが、さっきのラップはゆる〜い感じだったのに対して、こちらのラップはビシッとカッコよく決まっています。
11.Voice of Safest Place
24thシングル「Diamond Wave」のカップリング曲「SAFEST PLACE」のアカペラバージョンです。オケなども全て倉木さんの声でできていて、倉木さん曰く「50人の倉木麻衣が歌ってる」そうです。アルバムラストにふさわしい、王道バラードで、アカペラなのがまた素敵ですね。でもオリジナル版もめちゃくちゃいいので、どちらも楽しんでみてほしいところです。
初回限定盤DVD
・「Diamond Wave」 PV
・Making of 「Diamond Wave」
PV一曲だけなんですよね…。当時はどういう価値だったのかわかりませんが、今だったら物足りないかな、と。
最後に
今回は倉木さんの6thアルバム「DIAMOND WAVE」をレビューしてみました。
冒頭でお話ししたアルバムのコンセプトの通り、一曲ずつが丁寧に作り込まれており、またライブでの披露を前提とした一体感のようなものを感じられる曲が多く収録されていました。
またそれとは別に、今作は「夏」を感じられるアルバムのような気がするんですよね。「Diamond Wave」や「State of mind」なんかは夏のイメージソングみたいになっているところありますし。
こんな感じで、倉木さんのアルバムはリリースされた時期の季節を味わえるような作品が多いのも魅力の1つです。(例えば、1月リリースの「ONE LIFE」は冬、10月リリースの「unconditional L♡VE」は秋っぽい雰囲気の楽曲が多くあって、ジャケ写のイメージなんかからもその季節を感じさせてくれる作品になっていたり、「君想ふ〜春夏秋冬〜」に関してはそのまま四季をフィーチャーしてたり、という具合です。)
今回は余談が多くなってしまいました…。
以上、今日はこの辺りで失礼します^_^
読んでくださりありがとうございました!
またお会いしましょう!