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小さな恋のメロディ

中学生の頃にテレビで見たのだったか…映画「小さな恋のメロディ」(1971年イギリス映画)。

マーク・レスター演じるダニエルと、トレイシー・ハイド演じるメロディ。

まだ幼い二人の初々しいまでの表情・演技はいま見ても清々しい。

パブリック・スクールに通う二人の少年と少女、11歳という年齢で「結婚したい」と願う二人の純粋な気持ちに、今はただ心打たれる。

にわかに二人の結婚で神父を務めることになったジャック・ワイルド演じるオーンショー、脇役ながら立派に存在感をアピールしている。9年ほど前に他界してしまったことが悔やまれる。

クラスの全生徒が一斉に教室からエスケープしていよいよ結婚式が行われるのだが…

当時、映画を見ていた15歳頃の僕にはあまりよくわからなかったのだけれど、今考えると「イノセンス(純粋無垢であること)」というものの価値は、失われてしまって「もう永遠に取り戻せないもの」であることに初めて気づくのだということ…。

「大人は何もわかっちゃくれない」

本来、子どもには子どもだけの世界があるべきもの。だが、大人になるにつれほとんどみんなそんな世界から遠ざかっていってしまう…。

常識や世間体にこだわるのはいつの時代も大人なのだけれど、四半世紀もの間教員をやってきて、ただ権力を振りかざす愚かな大人を演じていたのかもしれないが、既に自分自身も完全に頭の固いオヤジになってしまっていた。

まだ、自分の中には大人になりきれていない部分がどこかにあって、疲れを知らない子どものように野山を駆けまわりたいという願望が、今じわじわと沸き上がってきているのだと思う。

感性のチカラで、今自分の道を進むべき時…いくつになっても忘れてはいけない大切なことがあるんだな…。

ビージーズが担当したサウンドトラックも「メロディ・フェア」や「若葉のころ」など名曲揃いで秀逸。

教員になりたての頃、毎回授業で英語の曲をラジカセでかけていた。月に一度課題曲を決め、その歌詞を日本語に翻訳するという課題を出していた。

「メロディフェア」は毎年春に課題曲に使っていた。

当時教えていた子供たちも今は50代。そのお子さんたちが今高校生くらいで、僕が教えていた頃の彼ら/彼女たちと同じ世代。

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高繁勝彦(アドヴェンチャー・ランナー)
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