非言語コミュニケーションって大事③
今回は文化圏による距離感の違いや空間について考えてみましょう。
適切なパーソナリティスペースってどのくらい?
文化人類学者のホールは、アメリカ中西部のヨーロッパ系アメリカ人の対人距離を以下の4つのカテゴリーに分類しています。
🔴親密・密接距離(0~45cm)
耳元で会話ができるくらいの距離です。
🔴私的距離(45~120cm)
相手の表情がよくわかり、手が届くくらいの距離です。
🔴社会的距離(120~360cm)
容易には接触できず、ビジネスなど公的な話題が中心となる距離です。
🔴公的距離(360~760cm)
個人の表情は見分けにくく、講義や演説などでの公衆に対する距離です。
日本社会では上記の距離よりも長めにとり、南欧や南米のラテン系社会では逆にぐっと近くなるそうです。
日本人に欧米人が自分のパーソナルスペースで距離をとられたら、「この人、自分に気があるんじゃないのか?」と勘違いしてしまいそうですね。
同じ文化圏の人でも、自分の育った環境によりパーソナルスペースは変わってきますが、年齢や地位、性別、相手との関係性などのコンテキストにも影響を受けます。
社会的地位が高くなる40歳前後で最大になり、その後身体的な衰えから再び他者への依存的な行動が増えて距離が短くなります。(渋谷1990)
また、男性がパーソナルスペースとして考える距離は。女性よりも2.5倍から3倍大きいことが報告されています。(渋谷1990)
クライエントとの適切な距離はどのくらい?
キャリアコンサルタント(以下CCt)とクライエント(以下CL)の適切な距離は、既に述べてきたように人それぞれなのです。
養成講座で椅子の配置や、だいたいの距離は教わったと思います。ただ、その配置がCLの心地いい配置とは限りませんので、面談を始める前には必ず、CCtはCLに距離や椅子の配置について確認して、CLが話しやすい環境を作りましょう。とても大事な第一歩です。
90度法の方が圧迫感がなく、CLは話しやすいと言われています。
オフィス空間も文化圏で異なるの?
欧米のオフィスでは、パーテーションで区切り、個人の仕事部屋のような空間を作り、自由に働きやすい空間を作ることができます。
一方、オフィスでは部署ごとに「シマ(島)」を作り、机を向かい合わせにしていることが多いですよね。
欧米タイプのレイアウトに慣れている人は、頭を上げると向かいに座っている人と目が合い、課長からいつも見られているようで落ち着かず、仕事への集中という面では致命的と感じるようです。
しかし、慣れてくると活発なコミュニケーションができるということがわかり、結果的には高い評価を得ているそうです。いるかどうかわかるので、上司へのアポをとらなくても声をかけやすい、「シマ」同士の日常会話から、自分に役立つ情報が入ってくるという利点もあります。
近年ではアメリカでもオープンスペースを活用したオフィス配置が見直されてきているようです。
このように、距離感や空間の作り方も非言語コミュニケーションでは、欠かせないファクターになってるんですね。是非、意識的に取り組んでコミュニケーション力の向上に繋げていきたいですね。
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