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「悲惨だったベビーマッサージ体験の記憶をタッチケアでぬりかえていく」

「ほとんどの赤ちゃんと母親が癒されている中、泣きながら帰った10年前の親子」
それが、私たち親子の初めてのベビーマッサージ体験。

看護学校の産科実習で初めて知ったベビーマッサージ。当時の学生である私の相棒は、お人形。もちろん、他の親子は生まれて生後3ヶ月か4ヶ月程度の赤ちゃんと一緒に講師の声と手技に合わせて赤ちゃんとふれあいをしていた。

その光景は笑顔で溢れ、とても幸せそうで輝いて見えた。

「私も子供ができたら、ベビーマッサージをしたい」

母親との愛着形成が不充分だった私のあわい憧れでもあったのかもしれない。

教科書通りにはいかない我が子とのベビーマッサージ。
それは、私の淡い幻想を一瞬で打ち砕くものであった。

1、発達障がい児長男とのベビーマッサージ

他の子は寝てリラックスしている中、一人起きている息子

近隣のベビーマッサージを教えてくれる場所を探す前にネットでベビーマッサージをはじめる時期やできなくなる時期を調べた。
すると、1ヶ月検診が終わってから、よつんばい〜はいはいなどで動き出す時期くらいと書いているものを多く目にする。

つまり、2ヶ月〜10ヶ月程度までが対象ということ。
通えても、風邪をひいてお休みをするなどしても数回くらいか・・・とよぎりながら、近くのベビーマッサージ教室の門をたたいた。

ベテランの保育士さんがする教室はいきなりお洋服を脱いでマッサージしましょうという雰囲気ではなく穏やかで楽しい雰囲気であった。

我が子はというと、初めての場所、初めての人、もうそれだけで大パニック。

そして、衣服を脱がされるという非常事態。

今考えると、息子からしたら、悲惨な状況である。
大号泣した後、息子はう◯こをして疲れたのか寝てしまったのを覚えている。
くさかった。

おむつ替えしたらいいだけなのに、持参したおむつを全部使ってしまった。
初めての場所で、いつもなら言える「おむつはありませんか?」が言えなかった。どんなに偉い人にも意見をはっきりと言ってしまう私が言えなかった。

私が私らしさをなくしていたのは、産後うつになっていただからだろうか。

「次の予約どうされますか??1回じゃまだ慣れない子も多いけど、時期に慣れて楽しんでくれるお子さんが多いですよ」

たしか、そういった説明に「それもそうだな」と思い予約をした。
2回目は、オイルでアレルギーをおこし、病院受診というトホホな流れとなった。

「衣服の上からしたら大丈夫ですよ」と先生とのやりとりをしながら、コリもせず通い続けた。
先生もだが、その教室で出会ったママ達が今でも連絡を取り合うほどの心地よい雰囲気だったおかげでもある。

そして、何より期間限定の期間にベビーマッサージで得られる親子の愛着形成、感覚過敏、睡眠障害を少しでも解消したかった。

今しかできない。
やらなくちゃ。
いかなくちゃ。

結局、何回行っても結果は同じで、楽しく最後までマッサージができたことはなかった。運動発達がやや早かった息子は、7ヶ月程度でベビーマッサージ卒業となった。

2、10歳になった自閉症スペクトラムの診断がついた息子のいま



幼き頃からのこだわりや感覚の過敏さは大きくなったからといってなくなりはもちろんしない。
小学校は3日目でトイレが臭い、先生が怖い・・・
最初はそういっていたが、時期に何も話せなくなる場面緘黙になっていった。

場面緘黙の息子が、「死んじゃいたい」といったのを機に転校し、今に至る。

ちょうど1年前に仕事を辞めた時「発達運動学と感覚統合の視点から赤ちゃんを学ぶMIGAKUメソッド」という作業療法士さんからのオンライン勉強会を受講した。

参加者は、私のような看護師や保育士、助産師、理学療法士、作業療法士、医師などバックグラウンドは様々である。
そのなかで、ベビーマッサージの講師をされている方からの質問内容で「うちの子供のことではないか?」と勘違いをするほど同じ境遇のお子さんの相談があった。

講師の先生からは、「おそらくそのお子さんは、これから先、何かしらの支援がいったり生きずらさを感じることがあるかと思います。
必要なのは、早期療育、早期診断ではないと思っていて、早期発見。

皮膚の過敏さがあれば、そのせいで他の何か経験不足に繋がることは避けてあげたい。
だから、みんなと同じことを無理にさせるのではなく、何かツールを使ったり環境を整えたりしながら、やらないではなく参加するにはどうしたらいいかな?といった言葉かけをしながら、一緒に支援者が公的機関とつながれるようにサポートしていけたら良いかと思います。」

この解答に涙が止まらなかった。

まさにその通りだったから。もちろん全く同じ人間なんていないけど、それにしてもこんなに泣いたり、慣れないことがあるのだろうか。
「どっか悪いんじゃないか?」

検診や保健センターで相談しても、初めての子供だしママも心配してるのが子供に伝わってるのかもねや気にしすぎなどと言ったアドバイス。

今なら、アホォ!!と殴ってやりたい。

3.こども発達支援研究会の事例検討会でのアドバイス


MIGAKUメソッドを受講していけばいくほど、もっと抱っこばかりしないで一緒に動いて遊んだり、ただ話しかけたりするだけでもよかったんだなと後悔していく。
でも、過去に戻ることは、できない。
どうしたらいいのだろうか。様々なところに相談していた。

その一つ「こども発達支援研究会」の事例紹介で息子のことを事例検討会で取り上げてもらう。

こども発達支援研究会のことは、ホームページを見ていただくとわかるが、発達障害について勉強したければここですれば間違いないとおススメする。

そこで、ある方から自律神経の弱さを指摘をうけ「タッチケア」の提案をうける。

その昔、自宅サロンを開きたいと思いマッサージにどハマりしていた私は、ある程度知識・手技はあり、時々施行していた。
もちろん、息子に「ママのマッサージが気持ちいい」といわれることは嬉しい。
家族にできることは幸せなのだが、いつもいつもしなければ!となるのは、疲れるものだ。

そもそも私がマッサージしてほしいくらいだ。

現在静養中の身でもある私に代わりマッサージしてくれる人がいればいいなとも思い、整体や放課後等デイサービスでも理学療法士や柔道整復師が在籍するところにも足を運んだ。
が、そもそも、その場所にいることさえできないから難しい。

誰にでもは体を触らせない息子のケアに自律神経を整えてくれるような団体と繋がりを持てたらいいなと考えながらタッチケについて調べてみる。

ネットサーフィンし、ふと目が止まる。
子育て支援と療育ならSaule。

他にも、たくさんの協会などあったが、なんだか受けてみたいなと思った。同じ、看護師保健師同じ障害を抱える子供のママという点。
そんな変なことは教えないだろうと思った。

4、タッチケア講習を受ける

講座の詳しい内容の掲載は避けるが、ベビーマッサージと違い、成人でもできるという点。
これは、大きい。
そして、特別な手技も必要としない。
軽ーく触れるだけ。
正直、えっ??これだけ??これで効果ある??みたいな内容である。

もし触れることが、嫌なのであれば、お風呂から上がってタオルで乾かすのをいつもより丁寧にしたり、髪を乾かすのをできるかもしれないけどしてみたり。
そう入ったこともタッチケアになるということ。

これは、肩に力が入りやすい私のような頑張り屋のママにはとってもいいケアだと思う。

そう考えると、難しく考えることなく、シンプルに日常には、愛をだせるタッチケアはたくさん転がっている。

結論


ベビーマッサージでは救われなかった親子でも、諦めなくいい。
代替えとなるタッチケア。
発達障害があるとどうしても親は他の子みたいになってほしくて、頑張らないといけない、やれ療育だ訓練だとなりがちだ。


タッチケアは、その真逆をひょっとしたらいっているのかもしれない。
日々の子育てを、丁寧にシンプルに肩の力を抜くというところから始める。
親子でリラックスすることの練習なのかもしれない。


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