落ち込むこともあるけれど、
私、この街が好きです。
って、とってもいい言葉だと思うんです。言わずと知れている、魔女の宅急便のラストシーンの台詞です。13才の魔女が独り立ちをして生活をして、いろいろなものにぶつかり倒して変化していくあのアニメです。名作です。
今、あなたは、この街が好きですって言えますか?もし言えるのであればとっても羨ましい。もし言えないのであれば、僕と同じです。自分のすんでいる街が好きだって言えるってことは、その生活そのものも好きだって言えてるんだとおもうんです。それって幸せですって言ってるのと同義ですよね。すごい。
僕は今、おおいに幸せかと問われれば、おおいに幸せではないです。衣食住がちゃんとあって、恵まれているとは思うし、日頃美味しいプリンなんかに感謝をしていますが、あぁ、幸せだなぁ、としみじみ感じるほどではないのが現状です。
こういう時ってここではないどこかや、いまではないいつか先の未来の幸せと比較している状態なんだと思っています。
そして、そんな僕は、海が見える街にすみたいなと思っています。窓を開けると潮風が入ってくる。遠くでカモメがなく。いいなぁ、と思います。そんな街に住めれば満足だろうなぁ、と思います。
今よりもよい状態。
ここではないどこか。
を、人は幸せって呼びます。
言い過ぎなのかもしれませんが、ほとんどの僕を含めた多くの人が、あれがあったらなぁ、これがあったらなぁ、あそこにすめたらなぁ、って今とソコを比較します。そして欠けている今を嘆くのです。僕です。
何かの本で、頭のなかで起こっていることはすべて妄想で、現実にはなにひとつ起きていないこと。というふうに書かれていました。僕たちはどうしても起こっていない不安や輝かしい未来に、「今」を食い潰されています。
僕が今日、このあと出勤して交通事故にあって指をすべて失えば、この文章が書けていた「自由」をなんて幸せだったんだろう、って思い返すでしょう。実はそれぐらい自由で幸せなのに、僕は自分をそんなに幸せではないと言い切っている。
僕は、海が見える街に住みたいです。
でもまずは、この街が好きですって言えるようにもなりたいんです。