温泉ソロライブ
兵庫県、有馬温泉の露天風呂。
温泉から顔だけ出し、旅館の今晩の料理に思いを馳せる。
活き伊勢海老の刺身も、三田牛陶板焼きもオプションで付けた。やっぱり付けておいて正解。いや、まだ食べてないけど。
それでももう、弾力のあるぷりんとした刺身とか、柔らかな溶けるレアの牛肉の食感を想像するだけで、もうそれだけで充分満足。食べなくてもいいくらい。嘘。食べたい。
旅館の晩御飯定番の、着火剤の上の小鍋の中身はなんだろう。蟹?地鶏?河豚かな?なんで鍋の出汁はあんなに体に染み渡るんだろう。たまらぬ。楽しみ過ぎる。
それより最初の酒は何にしよう。温泉あがりの1杯と豪勢な食事の乾杯を兼務する酒。これは大事。
やっぱりビールだよなぁ、地酒の冷酒と迷ったけど、やっぱり最初はビールだわ。
湯上り。
体を拭き浴衣を着る。
喉鼓。
飛び石を歩き、部屋へ。
そよ風、さやかさり。
下駄、からころる。
喉鼓。
炊きたての米の匂い。
襖に手を掛ける。
喉鼓。
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