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かづみ的作句法vol.1:中八について
川柳を始めてまず最初に言われることは「中七を守れ」です。
十七音字を構成する五・七・五の真ん中の「七」ですね。初心者の方は「中八」の句を作りがち…と言われていますが、統計を取ったことはありません。
ただ、あなたが「中八」の句を作ったら、多くの先達に「中八になっているよ」と指摘されることでしょう。「中八警察」と呼ばれる過激な方々も存在します。
中八がそんなに憎いかさあ殺せ 川合大祐
ある程度川柳を作ってきた方なら、この川合さんの句を読んで笑わずにいられないでしょう。それくらい「中八」は嫌われます。
では、何故「中八」がそんなにいけないことなのでしょうか。
それは単純にリズムが悪くなるから、です。正しくは「リズムが悪くなることが多くなる」からです。「中八」が悪いのではありません。「リズムが悪いこと」が悪いのです。
初心者に「中七を守れ」と言うのは、「心地よいリズムを作ろう」ということなのです。しかし、アドバイスする方は、相手がどれほどのリズム感を持っているかはわかりません。なので、一番リズムを保ちやすい方法である「中七を守る」を教えるのです。つまり、句のリズムが心地よければ、中七を厳守する必要はないとわたしは考えています。
外在律だ内在律だ句またがりだ…という問題を出しているとリズム論だけで作句に進めません。なので、まずは「中七を守る」でリズムの問題を片づけて、次のアドバイスに移るのです。
わたしは定型を守りたい主義なので、中七を崩すことはありません。なので、中八の例をパッと挙げることは出来ないのですが、先に挙げた川合さんの句は「あえて中八で作ること」で中八警察への皮肉を強めています。そのように選択的に中八を選ぶのであれば、何も問題はありません。
問題なのは「なんとなく中八になった」です。
川柳は十七音字の舞台です。「なんとなく」は中八じゃなくてもいけません。その際は、中七に出来ないかを探ってみましょう。そうすることで、リズムに意識を向ける習慣がつきます。
わたしも、一気に作った句のリズムが悪いと、指を折って中七になっているか確認します。指を折って数えるのは素人くさくて格好悪いことみたいに思えるかもしれませんが、恥ずかしがることはありません。堂々と指を折って、リズムのよい句を作っていきましょう。