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PE面接対策⑤ファンド別サーチ(CVC編)

はじめに

 本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
 本シリーズではファンド各社の特徴について記載します。
 就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事があるものの限定的な状況です。ここではネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います
 今回は外資系大手で、日本での投資実績がある欧州系PE大手のCVCについて書きていきます。過去のAPポラリスカーライルの記事も併せてご覧ください。

外資Large Capファンド全体の特徴・論点

 ここでの外資Large Capの対象はざっくりファンドサイズ2,000億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々本国(米国、欧州又はアジア)で複数回ファンドを組成しており、日本国外でのトラックレコードが豊富
・ファンドの投資対象はグローバルか、アジアリージョンか、ジャパンファンドか
・ICの意思決定に際しどこまで日本チームが形式的/実質的な権限をもっているのか
・ファンドとしてオークションにどんどん出ていくのか、相対案件を目指していくのか
・インダストリーフォーカスがあるか
・大きくなればなるほど、ファンドサイズ自体で一定の差別化要素ができる&競争を減らせる。超大型案件となると実際にできるファンドは片手に限られる
・PEの中でも最もcompetitiveな報酬水準

自身とのフィットを確認すべきチェック項目

 チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
 ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)、日本のみで意思決定できるのか、グローバル、アジアでICを開くのか
 ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
 ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
 ー得意なアングル
2.報酬水準
 ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
 ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド

記事の対象として想定する外資Large Capファンド

・カーライル
・ベイン
・KKR
・MBK
・CVC
・EQT/ベアリング
・ブラックストーン
それでは本記事ではCVCについて書いていきます。

CVC:概略

 2005年12月、CVCキャピタル・パートナーズの日本支社であるCVCアジア・パシフィック・コンサルタンツ・ジャパン株式会社を設立。2006年4月、現在のCVCアジア・パシフィック・ジャパン株式会社に名称変更。CVCは英国を本拠地とし、ヨーロッパおよびアメリカ大陸に 16、アジア太平洋地域に 8、合計 24 のローカルオフィスからなるグローバルネットワークを有する運用資産額はブラックストーン、KKRに次ぐ世界第3位の欧州系グローバルPE。CVCが現在運営するファンドは2つあり、1つが欧米企業を対象としたグローバルファンド、もう1つがアジアファンド。日本はアジアファンドから投資。
 東京オフィス設立当社は本国から派遣されてきたRoy Kuan氏がリーダーとして運営してきたが、APからラテラル移籍の赤池氏(・杦山氏)をトップとする日本人のリーダーシップ体制に2015年から変更。2016年に「おそうじ本舗」のHitowa(旧長谷川HD)、2017年に古巣のAPからりらくをセカンダリーバイアウトで取得。その後、リーダーシップ体制変更に伴うカルチャーの変化から離職者の発生や新規投資ができない時期(2018-2020年)が続くなど産みの苦しみもあったと推察される。しかしながら2021年にはトライ、資生堂のパーソナルケア事業と大型案件2件を新規投資を実行し、現体制の存在感を確固たるものとした
 また、ファームとして、オークション参加は推奨されておらず、相対での案件獲得に向けシニアメンバーを拡充し、ソーシング活動を重点的に行っている。投資後のモニタリング体制もLarge Capらしく、外部コンサルを徹底的に活用し、ハンズオフでのモニタリングに定評がある

アジアファンドの設立経緯

CVC Asia I Raised in 2000 / $0.75billion
CVC Asia II Raised in 2005 / $1.98billion
CVC Asia III Raised in 2008 / $4.1 billion
CVC Asia IV Raised in 2014 / $3.5 billion
CVC Asia V Raised in 2020 / $4.3 billion

主な日本での投資案件
 -昭和薬品加工
 -信和
 -ミニット・アジア・パシフィック
 -アルテリア・ネットワークス
 -テクノプロ・ホールディングス(旧グッドウィル・グループ)
 -HITOWAホールディングス(旧長谷川ホールディングス)2016年
 -りらく 2017年(EV350億円)
 -ファイントゥデイ資生堂 2021年
 -トライ 2021年

 ここからはCVCの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)+6.余談と噂話から考察していきます
 なお、価格は実験的に先着10名様には500円と致します。
※追記:10名に達しましたので、800円に変更しました。

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