初駅伝
昨日は僕にとって最も重要な賞レースのひとつ、寛平マラソンに参加してきました。
例年2月か3月に行われる同大会ですが、今年は12月4日という少し早めの開催。
その理由は聞かされておりませんが、おかげでとても走りやすい気温でした。
しかも直前まで雨予報だったのですが、それもなんとか持ちこたえたんですよ。
僕の曇男ぶりが発揮されましたね。
今年はフルでもハーフでもなく、駅伝の部に参加させて頂きました。
その名も“芸人最強チーム”
いやいや、勘弁して下さいよ。
ハードル上げすぎでしょ。
ただ、その名に偽りなしと言っても過言ではないメンバーが招集されました。
まずはフルマラソンのベストタイムがコンビ揃って2時間40分台の十手リンジン。
元々は十田がバリバリのマラソン芸人だったのに、それに乗っかって始めたエナジー西手が十田に匹敵するほどの速さを身に付けたという異色のコンビ。
続いては東京から参加のげんき〜ず宇野けんたろう。
何度か寛平マラソンでも一緒になったりして名前は知っていたのですが、なんと芸歴が僕と一年しか変わらない22年目で、年齢も一学年下。
同世代で僕より速い芸人なんていないと思っていたのですが、宇野君のフルマラソンのベストタイムは2時間33分。
僕のベストタイムより40分以上速いです。
しかしそれを凌ぐのが、東洋大学駅伝部に所属していたランナーズのがんばれゆうすけ。
“ランナーズ”というコンビを解散してからもその名を残す程走ることに特化した芸人で、フルマラソンのベストタイムは脅威の2時間25分。
マラソンのあまり強くない国に行けば代表になれるんじゃないかというレベルですよ。
そんな芸人のレベルを逸脱した最速メンバーに、なぜかただ趣味で走っているだけのおじさん芸人、アーネスト門野が入れられてしまいました。
あと1人ぐらいガチの奴おらんかったんかいな。
やっぱりね、自分がダントツ遅い立場で駅伝チームに入れられるの嫌ですよ。
間違いなく足を引っ張るのが目に見えてますもん。
しかも最初の打ち合わせの時に僕をアンカーにしようってノリがあったんですよ。
いやムリムリムリムリ!
アンカーなんて各チーム一番速い人が務めますやん。
もし1位でたすきが回ってきて抜かれまくったりしたら大恥かきまくりで凹みまくりですよ。
ということでごねにごねてなんとかトップバッターにさせてもらいました。
まあトップはトップでプレッシャーなんですけど、人から預かった順位を下げる心配がないだけ気が楽です。
いよいよレースが始まると、まず数人のランナーが勢い良く飛び出しました。
あまり離されるとまずいと思い、なんとか付いていこうと試みましたが、その中の一人が異次元の速さでみるみるうちに独走態勢に入りました。
なんとか2位集団には食らいついていたのですが、その2位集団からもポロポロと脱落者が。
ん?
もしかしてハイペースにつられてる?
と思い、少しペースを落とそうとしたのですが、一度大きな差がつくと二度と追いつけない気がしたので、なんとかギリギリ2位集団にくらいついていきました。
前半の無理が祟って終盤少し失速しましたが、結果的に2位集団の4番手、つまり全体の5位で第二走者のがんばれゆうすけにたすきを繋ぐことができました。
ただのマラソン好きおじさんにしたら上出来でしょ。
僕からたすきを受け取ったがんばれゆうすけは、東洋大学駅伝部の名に恥じぬ走りを見せ、2位集団の3人を抜き去って一気に2位まで浮上しました。
これはもしかしていけるのでは?と思ったのですが、第三走者にとんでもないバケモノが紛れていたのです。
西手は前の走者を捉え、一時はトップに躍り出たそうなのですが、3位だったチームに抜かれ、更に50秒程差をつけられてしまいました。
1位のチームを抜いた奴を抜いて50秒も差をつけるってエグくないですか?
しかし、バケモノはうちのチームにもいました。
第四走者の十田が相方の仇と言わんばかりの激走を見せ、1位を奪い返したのです。
あの走りは今日のMVPと言っても過言ではないでしょう。
あとは宇野君が1位をキープするだけ。
なのですが、ここで1つの不安材料が。
なんと宇野君は、午前中に行われたハーフマラソンの部にも出場していたのです。
いや、げんき〜ずすぎるやろ!
なんで午後から駅伝あるのにハーフも出よってなんねん!
更にピンチなのが、2位のチームのアンカーがめちゃくちゃ速いこと。
宇野君がスタートして十数秒後にたすきを受け取ったのですが、ものすごい勢いで宇野君を追走し、みるみるうちに差を詰めていました。
「これは抜かされそうやな」
と誰もが思いました。
しかしそんな心配をよそに、宇野君は見事1位でゴールテープを切りました。
えっ?
芸人チームが勝ってええの?
芸人の中でとかじゃなく、全体の1位ですよ?
90チーム以上出場してる中の。
しかもただのマラソン好きおじさんが1人混じってるのに。
2位と3位のチームは現役大学生の駅伝同好会の人たちですよ?
平均年齢40近いおじさん芸人チームが優勝するなんて。
普段は感情のほとんどない僕ですが、さすがに興奮しました。
興奮しすぎて「すげー!」しか言うてなかった気がします。
人生で初めて金メダルもらいましたわ。
重厚感もありましたが、実際の重さ以上の重みを感じました。
走る前は自分が一番遅い立場で走るのが憂鬱でしたが、実際に走ってみるとあんなに速い奴らがチームメイトなことがめちゃくちゃ心強かったです。
僕がマラソン好きな理由のひとつが個人競技であることだったのですが、仲間と走るのもいいもんですね。
ただ来年は僕より速い若手芸人を見つけて席を譲りたいと思います。