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受験生の妻になる


「会社を辞めたいから司法試験を受ける」

201X年冬、遅めの夕食時に夫(当時はまだ同居中の恋人)が言いました。
日常的に会社への愚痴は聞いていたものの、
司法試験?? これまた飛躍したなあ〜
というのが率直な感想でした。

司法試験を目指す理由

夫が司法試験を受けたいと考えた理由は主に3つでした。

①転職したい
いまの会社は風通しが悪くて、仕事もやりがいが少ない。
そもそも斜陽産業と言われる業界で、同業他社への転職も悩ましい&難しい。
定年まで細々と同じ場所で働き続けるのは嫌だ。

②いつか地方移住したい
都内在住&通勤しているけれど、将来的には田舎の戸建てで大家族を築くのが夢。
国家資格があれば、全国に仕事があって、食いっぱぐれないはず。

③勉強してみたい
報道関連の仕事をする中で、いろいろな事件・事故・裁判の経験者と知り合い、法律は面白い、もっと勉強してみたいと思った。

①②が叶うかは置いておいて、③の気持ちがあるならどうぞどうぞぜひやってみて。
大人になってから興味を持てるものが見つかるなんて最高じゃん、応援するよ〜!

と賛成すると、今度は
「120万円の通信教育講座に申し込みたいんだけど、どう思う?」
と続きました。

「120万円が必要」

そもそも司法試験を受けるには
・法科大学院(ロースクール)で単位を取得すること
・司法予備試験(司法試験の予選みたいなもの)に合格すること

いずれかの条件を満たす必要があります。

夫は地方の国立大文学部卒で、法律の勉強はほんとうにイチから。
いきなり退職して法科大学院に入学するのはリスキーなので、働きながら自宅学習して予備試験に挑戦してみたい、ひいては、大量のテキストをはじめ過去問や論文の添削などを自宅に郵送してもらえる通信塾を頼りたい、とのことでした。

司法試験対策費用の相場なんてわからないし、納得できるなら高くたって良いじゃん。
借金するわけじゃないんだし、思い立ったが吉日、いま申し込んじゃえ〜!


こうしてお気楽な同居人に背中を押され、夫はフルタイム会社員として働きつつ司法試験合格を目指す受験生生活をスタートさせました。(つづく)


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