シニアPMはミドルPMの延長線にない!
みなさんこんにちは。
クライス&カンパニーの山本です。
先日CPO協会が主催する「Product Leaders Training」なるものに参加してきました!
このイベントは一言でいうと、「Product Leader(≒シニアPMと勝手に理解)」を育成するための勉強会/ワークショップ」です。
我々はシニアPMを目指しているわけではありませんが、スポンサー枠として参加させていただきました。
本、、、、、、当にすばらしい会だったのですが、中でも
「シニアPMってミドルPMの延長線にあるものだと思っていた・・・」「え、、シニアPMのレベルってめっちゃ高くない?」
ということに気づけたのが一番の学びだったと思います。
今日は「シニアPMってどんなレベルなの?」というテーマでお送りします!!
※Podcastでも同じようなレポートを収録しているので是非お聴きください!
当初思っていたシニアPMのイメージ
「シニアPMは、ミドルPMの次」
「複数プロダクトを管掌し、マネジメントもやり始めたらシニアPM?」
「一定年数経過していれば、ある程度はシニアPMになっていくのだろう」
お恥ずかしながら、セッションを受ける前は上記のようなイメージしか持っておりませんでした。。
さらには、PMの世界って
未経験→ジュニア→ミドル→シニア(CPO等含む)
と半ば連続的にキャリアが続き、一定習熟していればなれるのだろうと。
もしかしたら、まだジュニアレベルの方だったりは、同じようなイメージを持っているかもしれません。
もちろんシニアPMという役割が明確にどこかが定義されているわけではないのですが、Product Leaders Trainingのセッションを通じて学んだシニアPMはそんな簡単なものでありませんでした。
今、改めて思うシニアPMという存在
結論からお伝えすると、自分の中での「New シニアPM定義」は、こんな感じです。全然まとまってませんが笑。
・思ったよりもビジネス側の知見、経験、センスが必要
・もし事業責任者が突如いなくなってしまったら、すぐに代打できるレベルの人
・経営者とディスカッションできるレベルのPM。なんなら投資家とも議論できる
一つ一つ説明していきます。
思ったよりもビジネス側の知見、経験、センスが必要
Product Leaders Trainingのメインコンテンツは、1ヶ月程度の準備をかけておこなうケーススタディです。いわゆるビジネスコンテストっぽいものをイメージしてください。
ケース対象となる実在企業の資料やプロダクト情報が事前に与えられ、
「1ヶ月後にそのプロダクト戦略を立てて発表してね」
という課題をチームで取り組みます。
我々は1ヶ月後のチーム発表を聞く機会しかなかったのですが、
・ビジネスモデルの分析は当たり前
・競合含めた事業戦略も語れないとだよね
・利益の出し方がわかっている
というのが前提として議論されていました。
コンサルファーム出身者や、事業企画経験者であればある程度勘所を持って取り組めそうです。
一方、(偏見かもしれませんが)上記以外のバックグラウンドからPMになった人などは一定ここで苦労されるかもしれません。日頃から様々な事業について考える癖がついていないと、最初は相当ハードなキャッチアップになると思います。
感覚論で恐縮なのですが、
「グロービス等のMBAでやるようなケーススタディ」
みたいでした。そう、あのMBAです。PMなのにMBAです。
余談ですが、アメリカでMBA卒業生がPMになるのがとても頷けました。
※ご参考:PM×MBA(Podcast)
もし事業責任者が突如いなくなってしまったら、すぐに代打できるレベルの人
1つ目と少し似ているのですが、もはや議論しているプロダクト戦略は、「事業責任者が議論するレベルじゃん!」と思ったほどでした。
特にメンターの方々や実在企業のCPOクラスの方々からのフィードバックは、「えーここまでPMもビジネスのことわかってないとダメなのか・・」と思うような内容だらけです。
「きっとこの人達は事業責任者もやれるんだろうな」と思うような視点、視座、分析力(データ的な意味ではなく、戦略的な意味)でした。
シニアPMクラスになると当たり前のように事業収益のことを考えています。PMとは「ユーザー価値と事業価値の両方を満たす存在」とは言ったものですが、本当にそれでした。
多くの若手の方々などは、「ユーザーの満足するものを作りたい!」と思うはずですが、そんなのは当たり前。ユーザーが満足するのは大前提として、その上で「いかに売上、利益が上がるプロダクト(=事業)を作れるか」という視点を本当に持っているのがシニアPMなのだと気付かされました。
※↓ご参考↓
経営者とディスカッションできるレベルのPM。なんなら投資家とも議論できる
最後も非常にインパクトがありました。
「シニアレベルなら、経営者と議論できるのは当たり前じゃない?」
くらいに気軽に考えていましたが、そんなものではありません。
PMの人から良く聞く、
「経営者が全然プロダクトに対する理解がない。売上ばっかり」
という言葉。
確かに経営者がプロダクト開発の重要性を理解していないと、それは本当に大変な環境なのだと思います。
ただ、立ち止まって考えみると「経営者を納得させられるだけのビジネスプラン(要は代案)を考えられていない説」はないでしょうか。
いろんなタイプの経営者がいるとは思うのですが、きっと誰よりもその会社のビジネスのことを考えているはずです。
その経営者を納得させられるだけの、事業戦略や事業仮説、ビジネスプランを考えていければ、もしかしたら聞く耳を持ってくれるかもしれません。
Product Leaders Trainingに参加されていたとあるCPOは、
「PMは、社長の意見に真正面からエビデンスとロジックで立ち向かえないといけない」
とおっしゃってました。ここで言うエビデンスとロジックは、まさに事業戦略そのものですよね。
なので、PMも事業戦略を学ばないといけないのです。
また別のCPOは、ケーススタディのフィードバックの中で、
「●●の事業はバリュエーションが★★円くらいかつかないだろうから~」
というようなファイナンスの話もしていました。
※バリュエーションというのは、企業価値。時価総額みたいなものです。
PMはファイナンスのプロではありませんが、時に投資家と話せるくらいファイナンスを含めた事業戦略も考えておかなければなりません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
ここまで読んでくださった方は、「シニアPMってここまで・・・?」と絶望感を持ってしまったかもしれません。
もちろん、このシニアPMのレベル感が絶対というわけではないですし、そうでない定義の方がいるのもPMという職種の抱える多様性の良さだと思います。
また、確かに上記で挙げた例はシニアPMの中でも、さらに飛び抜けて優秀な人達かもしれません。
ただ、だからといってそこに線を引いては何も意味はありません。
「憧れるのをやめましょう」
と大谷翔平選手も言っていましたが、小さな一歩でもいいので事業やビジネス側の経験/知識を習得しにいってみることが、理想のシニアPMに近づくことになるのだと思います。
ちなみに、Product Leaders Trainingに参加しているほとんどの方は企業からの派遣(費用は所属企業持ち)でしたが、自費で参加されている方もいました。おそらく数十万円です。。
ただ、この会に参加した価値は、参加した人が一番感じたと思います。
おそらく来年も開催されると思うので、是非参加をご検討ください!
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