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似て日鳴る者たち
昔読んだ国語の教科書に
ちいちゃんのかげおくりという話があった
内容は忘れてしまったが
瞬きを我慢して
空にかげをおくる方法だけは
いつまでも覚えていて
うまくおくれた日は
なんだか嬉しくなった。
いつの間にか、
無意識にかげで遊ぶようになったが
意識をしてみたらしてみたで
気付いたらいつの間にか、
大人になっていた。
変わらずにかげで遊ぶこともあるが
昼に見上げてた自然の青空よりも
夜の人工的なライトに照らされた
壁や、地面の方が多くなっていた。
マンホールの絵柄が好きで
うつむいて歩いても
世界は人が笑顔になるようにできている
なんて言ってはみるが
普通は上を見ない?なんて言われたら
涙が溢れそうになった時に
上を向くことがいつか
バレてしまうのではないだろうか。
上をみていた頃もあったさ。
一生かかっても届きそうにない空よりも
地面ならかがめばすぐに触れられるんだよ。
距離と同じ。
ふと、街灯に足元を照らしてみた。
足はどこへでも連れてってくれる。
行ける範囲に限るけど。
影は何かに似ていた。
小さな借家の子供部屋
弟と一緒だった
2段ベッドの上に飾ってあった
大きな恐竜のパズルに
確かこんなのがいた。
全部覚えたのになぁ。
名前を調べたら
パラサウロロフスだった。
サウロロフスに似ている という意味で
特に近縁ではないのに、名前に
パラをつけたされたパラサウロロフス。
そりゃあ、トサカもできるだろう。
私に似ているこの影も
パラクルスス風っすなんて言われたら
鳩でなくて、きっとニワトリになって
上を向いて鳴いたりするんだろう。
似ているものを探して。
特に近影でもないのに。
たまたまロロフスになった
自分に似ているようで
そうでもないかげや想いも
晴れたらちゃんと
自分に似ているようで
そうでもないかもしれない
青い空に贈れるだろうか。
昼でも夜でも瞬きなんてできないうちに
うまく送れたらいいのに。
また夜の陰に隠れてしまっているけど
それはそれで楽しくもあり
お陰様なんだよなぁ。
明日は空も気分も晴れますように。