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料理と読書の日曜日

上手に料理が回ったという先週の小さな成功体験に気を良くして、週末に料理をいっぱいするのを楽しみにしてました。昨日は料理本を3冊、本棚から選び出して、ソファに座って読みながら、作りたいっ!と心が喜ぶものをピックアップして、必要な材料を買い出しに。今朝は朝からキッチンに立っています。

そう、先週金曜日に1回、お弁当を作ったのですけれど、これが自分で言うのもなんだけどさ、美味しかったのよ。

黒米を入れて炊いたご飯を薄く敷いて、庭の紫蘇を醤油漬けにしたのを1枚広げて、その上からもう1回ご飯を薄く伸ばし、頂き物の絶品蕗味噌をちょっと乗せて、その上からとろろ昆布をふわっと被せました。おかずはローズマリーとタイムとオリーブオイルとバルサミコでマリネしてあった鶏肉を焼いたもの、茹で卵、糠漬けのナス、茗荷、プチトマト。 鶏は前々日に焼いたのの残り物だし、それを温め、ゆで卵を茹で、糠漬けをかき混ぜただけです。素食。でも、美味しかったのよ(2回目)。

ご飯を一口、チキンを一切れ、ゆで卵の半分と糠漬けと味噌を乗せて、ちびちび丼を作り、お味噌汁を温めて朝ごはんにしたのだけど、同じものだけど、これも美味しくて幸せだった。

贅沢なものを食べたいんじゃない。手をかけて、美味しいかな?これはきっと美味しいぞ、どうだ? と作ったものの楽しみは半端ない。味噌汁1杯でも、出汁を丁寧に取ってるから、出汁の味を真剣に味わおうとして飲むし、鰹と昆布で取った出汁と、水出しの煮干し出汁の違いとか、それぞれに合う具材とかにも気づき始めてる。味噌も友達の手作り味噌だし、添加物は入っておりませんっ!と鼻息荒くして地味な味噌汁1杯を味わうのです。笑

今回心に引っかかるものが多かったのは、高山なおみさんの古い料理本。2003年初版。

季節ごとに紹介してある料理の、暑い夏 のページから、トマトの丸ごとピクルスというのと、それを使ったそうめんと。「くずしながら汁と合わせてずずーっと食べてください」の文章にやられました。これ、食べたい!! と。あとは、黒糖風味の豚の角煮、自家製黒みつと豆乳プリン。このプリンに黒みつかけて食べるおやつ。1連のこの料理、写真から立ち登る空気感に心を持っていかれて、バラ肉のブロックや黒糖を買って来ました。

高山さんの、普通におうちで作って食べてる日常感がざらっと見える文章や写真で構成された本は、ほんと魅力的と思います。今、神戸で暮らしていらっしゃるのですよね。山と海の間に暮らしがある、その生活文化をなんとなく知ってる身としては、そのあたりにもとても親近感を抱いています。

ピクルスは先ほど仕込み完了。あとは冷やすだけなので、今日の晩御飯になる予定。いひひ。今から角煮を作ります。これも晩御飯にひと口、と明日以降のお楽しみになります。鳥の手羽元はチキンカレーに、ささみは、スープを取る予定、ヒレ肉のブロックは塩豚にして冷蔵庫でスタンバってもらいます。途中で何回か野菜を買い足せば、蛋白質はこれで大丈夫なはず。

朝ごはんのために、冷凍ご飯を蒸そう、と思って、ついでにじゃがいも2つを一緒に蒸し器に入れました。これは切っておけばちょっと揚げるだけで美味しいポテトフライになります。この蒸し器はそのままキープして、残り3つのじゃがいもを蒸して、後でポテトサラダを作る予定。角煮に入れる予定の茹で卵を茹でるお湯で、トマトの湯むきをすればいいんじゃないかと思いつき、卵をきれいに洗ってから鍋に入れました。トマトを茹でて冷やすために貯めた水は、使い切った蜂蜜の容器をぽちゃりと入れて汚れを落とします。焦らずに時間を味方につけることは、歳とともに上手になるよね。自分の中で小さな工夫を重ねながらゆっくりやるキッチン仕事は、本当に楽しい。

そして、料理に飽きたら、ソファに座って本を読むつもり。先週から読み続けている小説の続きや、今盛り上がっている料理熱に油を注いでくれる料理本や、古いテレンス・コンラン卿のインテリア本なんかどうかしらだし、少し勉強のための本も読む予定。

出かけない休日の過ごし方がどんどん上手になってます。園芸、料理、家事、インテリア、運動、読書、家族とのおしゃべり電話。普通に暮らすということだけで、結構人生は忙しいし、楽しみや喜びに満たされていきます。結局は自分が何をどう捉えるか、そこに尽きるのだよね。

何もかも、めんどうだし じゃまくさくない? と言ってしまえばその通り。煮干しの頭と内臓をひとつひとつ取って、一晩水に浸して出汁を取るとか、ありえなくない? 顆粒でも美味しいよ、という考え方ももちろんあります。本を選び、買ってきて読むより、Youtube の動画で全部よくない? と考える方もいらっしゃるでしょう。

要するに、人生も、仕事も、暮らしも、自分は何をどうしたいのか、何をしてると嬉しいのか ということ。よく考え、よく感じ、笑顔になれる方向に、少しずつ自分をもっていくことが、何よりも簡単な幸せのきっかけでした。

質素でも、手をかけて用意した食事、簡素でも整って清潔な住まい、日々の生活に似合う、肌ざわりよく、着心地よく、きれいに見えるシンプルな服。これが私の幸せと思う衣食住かなぁとか考える日曜日です。

そういう服を作っていくブランドになっていけるといいのだな。皆様の生活の中にあり、笑顔の基本になれるような、そんな服を作っていこう。

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