「参加者名簿作り」という作業の自動化 #3(PA)その①
以前、参加者名簿を作る手作業がイヤすぎて、VBAとPADを使ってこの作業を自動化したという話を書きました。
VBAはコードを書かなければならないためか、職場の人達は全く関心を示しませんでした。では、PADはどうかというと、これは職場のパソコンでも無料で誰でも使えるノーコードツールではありますが、結局のところほとんど誰もやりませんでした。ということで、自動化する気がない人はVBAだろうが簡単な新しいツールだろうが使うことはない、という結論に(今のところ)至りました。また、組織としてインセンティブを設計しなければ、ほとんどの従業員は効率化などしたくもないし、実際にしないということも書きました。
私個人としては、手作業のイヤさが半端なかったので、評価されようとされまいとインセンティブがあろうとなかろうと、VBAをマスターして大嫌いなコピペ作業を自動化することが最優先事項だったということでしょう。しかし、そもそもコピペせずに名簿を作る方法はないのか?とも考えていたので、職場でMicrosoft365が使えるようになったと同時にPowerAutomate(PA)の使い方を学び、実際の業務でも使っていきました。
PADとPA
PAとはMicrosoftが提供している自動化ツールですが、名前の似ているPADとは以下のような違いがあります。
【ウェブ版 Power Automate(PA)】
ウェブブラウザ上で動作します。FormsやTeams、SharePointなどのクラウドサービスや、SNSなどをオンラインで連携させることができます。
【デスクトップ版Power Automate Desktop(PAD)】
Windows上でPCのローカルアプリケーション(Excelのコピペやファイル操作、ブラウザ操作など)を直接操作できるRPAツールです。
つまり、メールでExcelの申込用紙を送ってもらって集計用紙に転記する、といったような作業を自動化するにはPADを使いますが、オンライン上で完結する作業であればPAで自動化できそうです。
会議の出欠確認作業
今回は不特定多数の参加者を集めるイベントではなく、あらかじめ参加者が決まっている会議を開催する際に、それぞれの出欠確認をして名簿に記載していくケースを考えてみます。
このような会議を開催する際、従来はイベントと同じようにエクセルで参加登録用紙を作って送るか、メール本文に必要事項を書いて返信してもらうか、古くから組織で使っていた掲示板ツールのようなもので登録してもらう(結果をダウンロードできたりはしない)といった方法で委員の出欠確認をするしかありませんでした。さらに昔は電話やFAXもあったかもしれません。
ですが、ここに登場したのがMicrosoft365のFormsです。Formsというものがあるということは以前からプライベートで365Personalを契約して使っていたため知っていました。なので、組織にMicrosoft365が導入された段階ですぐに出欠確認にFormsを使うことをエンジニア系上司に提案し、二つ返事で許可してくれたことで実現しました。やはり持つべきものは理解あるエンジニア系上司です。
ということで、さっそく次の会議で出欠確認Formsを導入しました。入力してもらう項目としては
名前(会社名)
出欠
出席の場合、出席形態(リアル参加かオンライン参加か)
リアル参加の場合、昼食のお弁当が必要かどうか
他にコメントなど自由記入欄
の5つです。
はじめはこのフォームのURLを委員の皆さんにメールで送り、登録をしてもらうというだけでした。それでも、いちいちメールの文面を読んで「中川情報の山田さんは、会議は出席、リアル参加でお弁当は不要」「中島ガスの吉田さんは出席でオンライン参加」…と手で転記したり入力したりしていく必要がなくなったので、かなり楽になりました。
しかし、こんな簡単で便利なツールでさえも使うことを渋る別の部署の上司や「やったことがなくて使い方が分からないから」という理由から導入をためらい、相変わらず古くからの方法を続けている従業員がいたのは私にとっては驚きです。それでも1年くらいでほぼ職場全体に浸透したので、PADなどよりはマシなほうです。
回答が自動でExcelに転記、でももっと自動化したい
Formsは回答が送信されると結果がExcelに出力されますので、委員全員が回答してくれたらそのExcelをダウンロードします。
これだけでも以前に比べたらだいぶ効率化したといえますが、ただこのままでは会議資料には使えません。ここから資料に掲載する名簿にするには入力作業が必要になってきます。はっきり言って毎回同じ手順で結構時間のかかるこの作業は面倒で嫌いでした。
Formsの回答から名簿完成までを自動化させた方法については、次回以降に続きます。