見出し画像

PADで自動コピペ勉強会(第1弾)

 職場には、私以外にも手でコピペ作業をしている人が山ほどいる(というか全員やっている)ということは分かっていたので、「コピペが自動でできるようになるなら絶対にみんなやりたくなるに違いない!」という根拠のない確信を持っていた私は、理解あるエンジニア系上司の協力を得て職場で勉強会をすることにしました。今からちょうど2年くらい前の2022年10月のことです。


勉強会チーム「チーム・エンジニア系上司」結成

 初の勉強会は、自分とエンジニア系上司の部署と近くの部署のメンバーを対象にすることにしました。構成としては定年が視野に入ってきているアラ還従業員や、私とほぼ同じ年齢(でも在職年数は倍以上)の従業員、職場内では比較的若手という位置づけの30代従業員など6名+私+エンジニア系上司+その他の上司2人の総勢10名です。
 ここでも偶然ラッキーだったのは、2人のその他の上司がプログラミング経験者だったということです。なので、どちらかというと従業員達よりもその上司たちのほうが興味を持っていて「部署のメンバーに新しい自動化スキルを身につけてもらって、もっとクリエイティブな仕事に力を注いでもらいたい」というきわめてまっとうな考えを持っていました。彼らもPADは使ったことがありませんでしたが、経験的にプログラミングを知っている人ならすぐに理解できることが分かっていたので、彼らにはサポート役として参加してもらうことにしました。
 上司以外の対象者は誰も「PAD(PowerAutomateDesktop)」という名前を知りませんでしたし、それが会社のPCで無料で使えるということももちろん知りません。なので「プログラミングしなくても、すごく簡単にブロックを並べるような感じでパソコン作業が自動でできるようになるツールの勉強会をするよ~」という感じで声掛けをしました。メンバーの反応は「えー、本当?そんなツールがあるならやりたい!」と半信半疑と興味が入り混じったようなものだったと記憶しています。

チーム・エンジニア系上司の結成

1日目

 まず、RPA(Robotic Process Automation)というパソコン上で人がおこなっている業務をパソコンの中のソフトウエアロボットにやってもらう技術というものがある、という話からスタートです。
 私たちがパソコンでやっている

  1. 明確なルールや⼿順が確⽴されている業務

  2. 誰がやっても同じ結果・成果物になる業務

  3. ⼈の判断を必要としない業務

  4. 繰り返し⾏われる単調な業務

はRPAで代行ができる、つまり自動化することができるという話で、この自動化にPADというMicrosoftのツールが使えます、とつなげました。

転写型業務と創造型業務

 ちなみにノンプログラマーのためのスキルアップ研究会(通称:ノンプロ研)という学習コミュニティーを運営しているタカハシノリアキさんがVoicyで「転写型業務(コピー)」と「創造型業務(クリエイト)」という話をされています。

転写型業務
やるべきことが決まっている業務、誰がやっても一定の結果が出るという業務で、マニュアルとかルールを介して人から人へと転写をすることができる(転写のしかたは人→人だけではなくて、人→コンピューターという方向もある)
創造型業務
やるべきことが決まってない業務でマニュアルを作ることもプログラムすることもできない

 極端に言えば、会社などの組織で従業員が行っている仕事というのは大半が「転写型業務」だと私は思っています。なぜなら、大抵はある従業員が担当する業務はその前任者から引き継いだものであり、将来的には後任者に引き継ぐものですよね。その時「引き継ぎ書」という業務マニュアルのようなものを作りませんか?引き継いだ人はマニュアルを読みながら、その業務をほぼ前任者と同じようにできてしまいます。ということはつまりその仕事は「転写型」であって、前任者じゃなくてもあなたにもできるし、あなたじゃなくても後任者にもできてしまうものなのです。
 組織で働いていると、自分の仕事を囲い込む人、他人に仕事を教えよう、渡そうとしない人というのは結構多いと思います。また「自分のやっている仕事は特別でほかの人にはできない仕事」と思っている人もとても多いです。でもそれはその仕事を過大評価しているだけだと思います。自分の仕事が誰にでもできる仕事だと思いたくない気持ちは分からなくもないですが、実際は組織で働いている人が担当している仕事というのは、それに前任者がいたとしたら(まったく同じではないにしても)あなたでなくてもほかの誰でもほぼ同じ結果になる仕事です。それが組織というものだからです。

まずはコピペから

 話が脱線しましたので元に戻します。
 勉強会で最初に取り組んだのはほかでもない「コピペ」です。一つのエクセルファイルを開いて、そのシートにあるセルを選択してコピーし、別のセルに張り付ける、この動きをPADを使ってやってみます。
 デスクトップにExcelファイルを一つ置いておきます。これをPADで開きます。

必要なアクションをドラッグ

ファイルが開いたら、C11セル~G11セルをコピー

セル(の範囲)をコピー

そして、C15セルに貼り付ける

以上の動きはこの3つのアクションでOK

ここまでは大きなトラブルもなく、みんなができました。手でやるとしたら

  1. デスクトップ上にあるExcelファイルをダブルクリックして開く

  2. C11セル~G11セルをマウスで選択してコピー

  3. C16セルにマウスを移動させてペースト

の3ステップですが、PADではマウスで実行ボタンをワンクリックするだけです。ただ、この一連の動きをさせるためのアクションの並び(「フロー」といいます)を作らなければなりません。これだけであれば手作業のほうが早いというのは当たり前です。
 ここから先が自動化の本領発揮です。

いいなと思ったら応援しよう!