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「90日間の入院で学んだこと」#2

病室の窓から見える景色は、いつもと同じように見えても、ここにいると全く違うものに感じられました。入院生活は、日常のリズムを一変させ、心に様々な想いを呼び起こす時間です。悪性リンパ腫と向き合うことになったとき、私は何を感じ、何を考えたのか。日記を書きながら、その時々の心の揺れや希望、そして葛藤をつづりました。この記事は同じように病気や入院生活を送る方々に寄り添い、少しでも心の支えになれればという想いでお届けします。

抗がん剤の投与1クール目を終えた後で、人生初の日記を書き始めました。今振り返ると投与の後の副作用が特になく、余裕が出てきたのだと思います。ちょうど入院して1か月経過したときに書き始めた日記がこちらです。

8月3日(入院33日目) 
始まりました!今日から記録を残したいので、日記を書くことにした。今日はなぜかぐっすり眠り、4時30分には起きましたが、夜中にトイレに起きることはなく、点滴(主に生理食塩水)が取れたことで通常に戻る?感じでした。水分はとにかく大切、これまでは点滴で1.5リットルの水分は体に入りましたが、これからは摂取量に気をつけながら日々送る。主治医から「外来」というワードが出てちょっと嬉しかった。このまま何度か抗がん剤投与はあるが、治るなら…落ち着くなら…何でもいい!とにかく病気に勝ちたい。午後に大丈夫かなぁと思って、zoomで知人と話したが少し疲れた。ただ、人と話すと元気がもらえる。病室にいると個室のせいもあって独りぼっち感が強い。全力応援している高校の吹奏楽部が県大会で金賞を獲った!すごいよみんな、なんか元気になったよ、負けてらんねえな。みんなから元気もらった。病室にいるけど独りじゃないなぁ。良かった。本当に感謝。

振り返ると、この日は自分にとって小さな「前進」をたくさん感じた日だった。ぐっすり眠れたこと、点滴が外れたことで少しずつ日常に戻れるかもしれないという希望を持てたこと、外来という言葉に未来のイメージが湧いたこと。さらに、吹奏楽部の頑張りや、知人との会話から元気をもらえたのは、病気と闘う中でも人とのつながりや応援が自分の力になると実感した瞬間だった。病室はひとりだけど、心はひとりじゃない。

この感謝の気持ちを大切に…退院しても小さな「前進」の積み重ねていこう。

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