四季と時間帯で分類するやつ その1。
蓮さん
・夏の夜
線香花火に火をつけて貴女は笑う。
派手に火の粉を飛ばす手持ち花火より、僕はこっちのほうが好きなのです、そうこぼしたのを覚えていてくれた貴女は、集団が苦手で少し距離を取って一人でいる僕のためにわざわざ線香花火を持ってきてくれた。
しゃがんで見る、ぱちぱちと明るく花開くような火花は、大きな打ち上げ花火を小さくしたみたいだ。
「とても綺麗ね」
そっと、楽しそうに笑う貴女の横顔をうかがおうと視線を動かしたその瞬間に膨らんだ火の玉が落ちて、あっという間に光を失った瞳が